保育士の悩みランキング|人間関係の構築をしてストレスを溜めない働き方

保育士の悩みランキング|人間関係の構築をしてストレスを溜めない働き方

運営・経営

2020年6月18日

保育士にとっての悩みはさまざまにありますが、勤続年数、地域や職場環境により違いがあります。今回はランキング形式で保育士の悩みの実態と、その対処法を考えていきましょう。

第1位:人間関係(同僚・上司・後輩)についての悩み

保育士の仕事は子どもや保育士同士など、人とのかかわりが主な仕事となります。そのため、人との関わりについての悩みが一番多くあげられます。

コミュニケーションの悩みと対処法

保育をする上では、子どもとの関わりよりも保育士同士の関係性を築くことが悩みの上位として多くあげられています。相手を知り自分も知ってもらうまでには時間がかかったり、分かり合えずに時が過ぎて行ったりと、歯がゆさを感じることで仕事が辛いという気持ちにつながっていきます。
聞きたいことが聞けない、ちょっとした悩みを相談できない、保育の中で疑問に思っていることを質問できる時間がないなど、忙しい日常の仕事の中でコミュニケーションをとる時間が持てず、モヤモヤとした気持ちのまま仕事に向かっている保育士が多いのではないでしょうか。
話し合いをせずどんどん保育を進めていく人、保育内容を考えずに思い付きで保育をしている人、指導や助言をしても全く改善しない人、助言を聞き入れない人などと関わり悩みながらクラスを運営している人がいるかもしれません。
担任する子どもを前に、同僚との関係がうまくいっていないと保育がしにくく、ぎくしゃくした雰囲気は子どもにも伝わり、クラスの運営にも影響があります。
同僚との関係がうまくいかないときは、どうしたらよいのでしょうか。

コミュニケーションの対処法

もしかしたら職員の誰もがコミュニケーションの取りにくさに対して、モヤモヤとした気持ちを持っているかもしれません。
新人保育士や経験の浅い保育士には勇気がいることかもしれませんが、思い切って話す時間を作ってもらえるようにお願いしてみてはいかがでしょうか。少し話すだけでも気持ちが晴れるかもしれません。また、勘違いや思い込みがあるかもしれません。コミュニケーションを持つことは保育の仕事を円滑に進める一番の近道です。
自分が少し先輩の立場であれば、雑談も含めちょっとした合間に話すことを心がけていきましょう。雑談の中からその人の保育観や悩み、これからの目標や困っていることなどが見えてくるはず。お互いに何となくでも把握をしておくことで、打ち合わせや会議の時などでそういったことを持ち出し深めることが大切です。コミュニケーションをとっている場面を見ている子どもにも先生たちは仲がいいのだと安心感を与えるはずです。
このように一番大切なことは話し合い、コミュニケーションを密にすることです。小さな会話から、時間を割いた打ち合わせ・クラス会議まで、たくさんの話し合いを重ねることが解決の一番の対処法です。
普段から保育時間の中で、子どもの様子や成長、問題点について報告しあうこと、気づいたことはメモに取り掲示しておく、子どものかわいらしいと感じた様子を伝えあうこと、そうした日々の雑談の積み重ねは、職員間の信頼関係へとつながります。
全てを理解しあうことは難しいかもしれません。ですが、それぞれの保育に向かう姿勢や保育観を知り、お互いの良いところを認め合い、苦手なことはフォローしあえる関係性を作りながら、子どもたちのために歩み寄っていきたいものですね。

保育観の違いと対処法

園の方針は勤務してみて初めてわかることばかりです。備品の管理の仕方、事務的な仕事の対応、残業の扱い、子どもの食事のさせ方、残食の扱い、けんかの仲裁、フォローの仕方など、驚くようなことがたくさんあるかもしれません。勤務をしてそういった習慣に慣れて気にならなくなるのではあればさほど問題はありませんが、どうしても自分の考えと合わないことがでてくるでしょう。
他の職員が誰も何も言わないで日々を過ごしている中、自分だけがなんとなく違和感を抱くようだと言い出しにくく、息も詰まることでしょう。園の雰囲気やこれまでの風習を変えることなど難しいと思うかもしれませんが、無理はせず対処法を見ていきましょう。

保育観の違いの対処法

保育観について、園によっては何となく良くない、今の時代に合っていないと思いつつ、惰性で過ごしていることもあります。職員会議や打ち合わせなど、全員が集まる場で、疑問に思うことを発言するのは勇気がいるかもしれませんが、例えば同僚や近しい先輩保育士などに愚痴や言いつけではなく「悩み」として話してみるのも良いかもしれません。もしかしたら、同じことを感じているかもしれません。
解決しない場合は、主任や園長に相談してみましょう。それでも解決が難しいこともあります。どうしてもこのままこの園で勤務をするのは難しいと考える場合は、退職や転職も視野に入れておきましょう。

第2位:処遇・待遇の悩み

第2位:処遇・待遇の悩み
 
保育士の仕事は大変ハードで仕事量が多く、責任も重いのに、休みや給料が少ないという悩みも大変多くあげられます。そういった待遇を耳にする保育学生などからも、自分にやっていけるのだろうかと就職を悩む人もいることでしょう。保育園での処遇について具体的にどのような悩みと対処法があるのか見ていきましょう。

給料が安い!悩みと対処法

仕事量やその責任の重さを給料と比較し、給料の安さに悩む人が多いのではないでしょうか。 保育士は帰宅してからも事務仕事や翌日の保育の準備をしていることもあります。下準備や自己学習が必要なこともあります。また日常の保育では子どもから目を離すことなく仕事に向かい、怪我無く保護者のもとへお返ししなければならず、責任も大きいです。

給料の低さや昇給についての対処法

給料のアップを願う場合は、園長や事務局長に交渉をしてみることも一つの方法です。年数はかかりますが役職を付けてもらうことも給与アップへの道です。
難しければ一番の近道は転職でしょう。
給料については就職した園の所在地、地域によってもかなり変わります。昇給や手当についても同様です。
保育園は保護者からの保育料と国からの助成金で運営し、残った金額が保育士の給料に充てられます。そのため、給料の金額は園の考え方によって違ってきます。賞与(ボーナス)についても園によって金額がずいぶん違います。
また、保育園といっても公立と私立では違いがあり、認可外保育園や企業主導型保育園、正社員やパート、派遣と勤務形態によっても様々です。給与について公開している求人や保育士向け転職エージェントで探し、給与のアップを目指しましょう。

休みが少ない!有給が取れない!悩みと対処法

有給があっても取りにくいのが保育士の仕事。また、土日の休みが欲しい人もいるのではないでしょうか。新人であればなおさら、有給は先輩保育士が優先という年功序列の考え方が残る保育園もまだまだあります。どんな対処法があるのでしょうか。

休日・有給についての対処法

園長や事務長に交渉をしても今の保育園ではどうしても難しい場合、やはり転職をするのが一番の近道です。
自分自身の優先順位をよく考え、働き方も検討してみましょう。派遣保育士やパートなど正職員でない働き方をすることで希望の休日が叶うこともあります。その場合は、クラスの担任を持たせてもらえない、1年ごとの契約であるなど、期間が決まった働き方にはなりますが、休日については優遇される場合が多いものです。保育士としてどのように働きたいのか日々考えておく必要があるでしょう。

退職・転職がしにくい!悩みと対処法

今の園で働くことはもう限界だと思って退職を申し出ても、1年の途中で退職をすることはまず難しいでしょう。年度末に退職をしたいと思っても、引き止められることがあるかもしれません。さらには、地域差はありますが転職をしようと思っても同じ系列の保育園では働けない、正社員としては再就職しにくいこともあります。

退職・転職についての対処法

退職の気持ちは固いこと、引き止められない理由を考えることが大切です。例えば、違う職場で自分の可能性を試したい、新たな勉強をしたいなど、前向きで退職せざるを得ない理由が良いかもしれません。または、体力的に疲れてしまったので少し休みたい、結婚を考えたいなども引き止められにくい理由です。
退職を申し出る際の時期は、園の事情もよく考え、求人を出す秋ごろまでには退職の意思を伝えましょう。それと同時に、自分も就職活動を始めておくと良いでしょう。

第3位:保育士の仕事内容に関する悩み

保育士の仕事は多岐にわたります。子どもと遊ぶこと、発達を理解すること、保育士とうまくかかわること、保護者との関わりを密にすること、お便りや日誌などの執筆や記録、片付けや整理整頓、スキルアップのための自己学習や研修会など、たくさんのことをこなします。その中で抱えやすい悩みを見てきましょう。

保護者との関係性での悩みと対処法

保護者との関係性での悩みと対処法
 
保護者にもいろいろな人がいますね。若い保育士なら保護者は全て年上の方ばかりで、話しにくいこともあるでしょう。また、送迎の時間に会えずなかなかコミュニケーションを取れない悩みもあることでしょう。子どもの姿に心配があり、家庭での様子を聞くだけで怒り出す保護者もいます。様々な話を重ね、コミュニケーションをとれていたと思ったのに、急にクレームを言い出す人もいます。保護者会や個人懇談などの運営についても、難しく感じている保育士もいるかもしれません。

保護者との関係性改善の対処法

保護者との関係性についてはことあるごとに挨拶をする、ちょっとした子どものかわいらしい姿を伝える、成長したことを伝える、保護者の頑張りを褒める、苦労に寄り添うことばをかけるなど、小さなかかわりを積み重ねていくことが大切です。どんな保護者も、かわいい子どもたちのママでありパパなのです。誠意をもって関われば必ず気持ちは伝わることでしょう。
また、保護者会・個人懇談では保育士ではなく保護者に主に話してもらえるような工夫をしてみましょう。保護者は話して聞いてもらうことだけでも充足感を得るものです。

クラスがまとまらない!保育園のクラス運営の悩みと対処法

全体に向けての呼びかけや話が通りにくい、いつもざわついている、けんかやいさかいが多い、ケガが多いなど、クラスが落ち着かず思うような保育ができなくて悩んでいる保育士も多いでしょう。
なぜ毎日うまくいかないのか、一日の流れがスムーズではないのか、解決策がなかなか見つからず困っている保育士もいることでしょう。先輩や主任保育士に注意を受けることもあるかもしれません。こんな時はどのようにしたらよいのでしょうか。

クラスがまとまらない、うまく保育ができないことへの対処法

クラスの人数にもよりますが、副担任や同僚と話し合いを重ねましょう。一日流れに無理はないかと、全体を見直すのと同時に、子ども一人ひとりにどんな問題点があるのかも見つめていきます。
例えば少し援助が必要な子どもが何人かいる場合は、その子どもに重点を置いてそばにつく、少し手のあく時間に他のクラスからヘルプに来てもらうなど、園全体で考える必要性もあります。
クラスの様子、子ども一人ひとりの様子、保育士の関わり方、一日の流れをよく見直し、改善点を洗い出しましょう。保育士が変われば、必ず子どもたちは変わっていきます。

仕事量が多いことへの悩みと対処法

日常の保育のほか、保育の下準備、保育の記録やお便りづくり、行事の準備、自分のスキルアップ、後輩や実習生の指導、園内の学習会のレポート提出、出張や研修会とその報告など、プライベートな時間をつかわなければとてもこなせないような仕事量を抱えているでしょう。
なかなかリフレッシュすることができず、疲れやストレスがたまるばかり…と悩んでいる保育士もいるのではないでしょうか。

仕事量が多いことへの対処法

仕事量については、これまでの園の方針を変えなければ改善しないことが多いものです。特に経験を積んだ保育士になると、仕事がどんどん増え、役職がつくとクラス担任を受持ちながらも役職の仕事をこなすという忙しさもあるでしょう。普段から同僚と円滑にコミュニケーションを取ることで負担を分かち合うことができる場合もあるでしょう。
どうしても体や心の負担を軽くしたいと思うのなら、退職や転職しかないのかもしれません。保育士の仕事を続けたいのなら、違う園でパートや派遣として働くのもひとつの方法です。自分自身と向き合ってどうしたいのかよく検討してみましょう。

まとめ

保育士に多い悩みについてのベスト3とその対処法をお知らせしました。悩みを解決することは勇気のいることでしょう。ですが自分のためでもあり、ほかの職員や園、何より目の前の子どものためになることです。ぜひ前向きに声をあげていきたいですね。ですが、思い切って転職をすることも悪いことではありません。自分にとって一番良い方法で解決を考えていきましょう。