発達障害の種類|保育士が認識しておくべき知識
例年、熱中症による被害が増える中、保育園での生活も様変わりしています。
最近では熱中症警戒アラートが発令される地域もあり「危険な夏」と感じる事もありますが、しっかりと熱中症対策をすることで「楽しい夏」を過ごすことは十分可能です。
子どもたちが集団生活を送る保育園においても、充実した夏を送ることができるように注意点を確認していきましょう。
熱中症とは、高温多湿な環境に長くいることで体内の水分や塩分のバランスが崩れ、体温調節機能がうまく働かず、熱が体内にこもった状態のことです。
熱中症にさせないために保育士ができることを見ていきましょう。
一日を通して様々な活動をする保育園で熱中症を予防するために、保育士として常に意識しておくことを紹介します。保育士が意識するだけでも子どもたちへの気配りに生かせることがあるでしょう。
これらを踏まえて、保育の環境を見直してみることも大切です。
熱中症を防ぐために気をつけて見るべきポイントがあります。園児の熱中症が発生しないためにもしっかり意識していきましょう。
顔が赤く、とても汗をかいている場合は深部体温が上昇しているので、涼しい場所で十分な休息が必要です。
のどが渇く前に水分を取るよう声掛けをしましょう。水筒の残量やちゃんと飲んでいるか確認し、日頃から飲むべきことを教えましょう。
急に外遊びをすると体の機能が付いてきません。家庭での様子や園での様子を共有しましょう。
園児は衣類の選択や着脱が十分にできません。保護者にも適切な衣類を周知してもらうことも大切です。
参照:環境省/熱中症環境保健マニュアル
保育園は、子どもたちが集団で生活する場所です。配置基準により、子どもの人数に対して保育士の配置人数が決まっているため、保育の環境設定や園内でのチームワークによって、効率的に保育を行うことが重要になってきます。保育園で行われている、基本的な熱中症対策は以下の通りです。
遊びを優先したくなり、水分補給が疎かになることあります。水分補給は、時間と場所を決めておくことで、取り忘れを防ぐことができます。また、塩分の摂取も同時に行うため、個人の水筒に加えイオン飲料を用意している園もあります。水筒に入っている水分量や、イオン飲料などを飲んだ子どもについて、必ず保育士が確認してください。
帽子をかぶることはもちろんですが、園庭には多くの日陰を作るようにしましょう。また、園庭に続いているテラスに日除けやすだれを用意することも効果的です。
濃い色の服は、熱線の吸収が大きいため体への負担も大きくなります。保護者にも協力してもらい、黒い色の服を避けるようにしましょう。最近は涼しい素材の服も販売されており、そのような情報を保護者へ提供している園もあります。
沐浴や水遊びは、体温を下げる効果に加え、園庭や室内環境の温度を下げる効果もあります。遊びに夢中になりすぎて、水分補給や日陰で体を休ませることを忘れないように注意することも必要です。
日陰が増え、水遊びなどの園庭遊びが魅力的になると、屋外で過ごしたくなるものです。ゆったりと過ごせるスペースの確保や、室内で取り組める遊びを充実させ、体を休める環境も整えましょう。新型コロナウイルス対策のためには、冷房時でも窓を開けるなどの換気が必要です。換気することで室内の温度が上がってしまうため、エアコンの温度設定を下げるなど工夫をしましょう。
日本の保育は、四季の変化を十分に取り入れてありバリエーションに富んでいます。また、視覚や聴覚で情報を得ることの多い大人とは違い、「触覚」や「嗅覚」「味覚」などの感覚が強いことも、子どもの特徴の一つです。「水」「冷たい」「光」「肌触り」「夏の匂い」をキーワードとして、取り入れたい遊びを見ていきましょう。
保育園では、園庭やベランダ、近くの公園などを活用して、屋外で遊ぶことも多いですね。夏は植物も生い茂り、虫も元気に動き回るため、子どもたちにとっては面白いことが増える季節でもあります。
夏の外遊びの王道は「水遊び」ですが、その他にも季節を活用した遊びはたくさんあります。3つの外遊びを紹介していきます。
4歳児・5歳児になるとプール遊びにも慣れ、全身を使ったダイナミックな遊びも楽しむようになります。それと同時に「水」という素材にも科学的な興味を持ち始める時期でもあります。
大きな紙や、瓶などを用意し、視覚的に「色」を楽しめる環境を用意すると、より想像力が増します。遊び慣れた無色透明の水に、絵具や食紅を混ぜ、水を使った「色の変化」で遊んでみてはいかがでしょうか。
水の動きや、紙へ滲んでいくおもしろさ、いくつもの色が混じって変化していく不思議さを、じっくりと観察する姿が見えることでしょう。
また全身で色を楽しむ場合は、ボディペインティングも人気があります。
暑い夏こそ「冷たい」を感じる絶好のチャンス!初めは恐る恐る触る子どもたちも、溶けていく様子を楽しんだり、ほっぺに当てて涼しさを感じたりと、思い思いに氷と戯れる様子が見られるでしょう。飲み物用のサイズだけでなく、ボウルや大きめのカップで作ってみましょう。また、氷を作る時にプラスチックのボールやマスコットなどを入れて、楽しみを増やしてみてもいいですね。
夏の太陽は、とても光が強いです。太陽の光が当たる場所は地面が熱く、日陰はひんやりすると気付くこともあります。日陰に入ると自分の影がなくなることを利用して、追いかけっこと影ふみ遊びをミックスすれば、2歳児・3歳児でも楽しく遊ぶことができます。また、カラーセロファンや、網などを利用して、影の色や柄を作ってみても面白いです。
保育のカタログで
【外遊び】に使えるものを探す
保育所保育指針の中に「保育室は、温かな親しみとくつろぎの場となるとともに、生き生きと活動できる場となるように配慮すること」とあります。屋外の環境と、保育室内の環境をそれぞれ存分に生かし合い、遊びを通して発達を促していくことは必須です。特に、屋外との気温差が激しい夏の時期は、屋内で落ち着いて過ごせる環境を整えることで、それぞれの遊びの時間が充実します。ここでは、3歳未満児が室内で楽しめる2つの遊びを紹介します。
0歳児は、一人ひとりの発達の差が大きく、生活リズムも様々です。特に、身体感覚が育つ時期でもあるため、「視覚」「聴覚」以外の感覚を使った遊びを充実させていきましょう。夏の時期は、薄着で露出している部分も多いため、大きな布を使った遊びがおすすめです。
この遊びでは、圧感覚の刺激や感触の心地よさ、揺れを感じることでのリラックス効果やバランス感覚を味わうことができます。歌声や言葉かけなど、穏やかな音の刺激も加えながら、全身で楽しめる時間を作りましょう。
夏といえば、カブトムシ、スイカ、とうもろこし、花火、草、夕立の後などの匂いが浮かびます。いろいろな単語が出てくるようになる2歳児さんや、生活の中で発見したことを共有する喜びを知っている3歳児さん。嗅いだ匂いを言葉にすることで、言葉の発達にもつながります。目隠しをして、または箱の中に匂いがするものを入れて、夏の匂い当てゲームを楽しんでみてはいかがでしょうか。当てっこが一通り済んだら、「どの匂いが好き?」「他にどんな匂いを嗅いでみようか?」など、子どもたち一人ひとりが自分の考えを伝えられる時間も持てるといいですね。
今回は、保育園での熱中症の対策と、オススメの遊びについてお伝えしました。季節感を楽しむことで、子どもたちの情緒は育まれていきます。必要な対策を十分にとった上で、年齢や発達に即した遊びを用意したいものです。また、保育士は子どもの体を気遣うことや遊びを提案することにおいてはプロですが、その反面、自分自身の体力を過信してしまったり、体調の変化に気付くことが遅れることもあります。保育士同士、声を掛け合い気遣いあいながら、短い夏を楽しく乗り切っていきましょう。