保護者へのクレーム対応|モンスターペアレントを生ませない保育園運営
保育園不足や保育士不足が叫ばれる中でも、保護者のニーズに応えられる保育園への人気が高まり、入園希望者が偏りを見せる地域もあります。保護者のニーズを知り保護者へ寄り添うのが集客への近道かもしれません。保護者のニーズとはどのようなことでしょうか?また、集客のため保育園にできることとは?一緒に考えてみましょう。
集客を目指す上で知っておきたいことのひとつは、いま保育園が置かれている現状です。保育園の地域にいくつの園があるのか、定員は満たしているのか、待機児童はいるのか、どのような特色のある園なのか、ということをできるだけ知っておきましょう。また、地域の保育園へ通っている家庭や保護者の状況について、どのような職場でどのような働き方をしているのかも把握することが大切です。
可能な限りで他園との情報交換をする、自治体に質問するなどして現状を把握しておきましょう。
子どもを預ける保育園を選ぶのは保護者。その保護者が求めていることとはどのようなことなのでしょうか。保育園経営をしている中で保護者のニーズは感じ取れるかもしれませんが、ニーズはその時代や社会の状況に応じて変化していくものです。
常に新鮮な情報を得るために、アンケートなどを取り希望・要望・苦情などを知っておきましょう。保護者の本当のニーズを知ることが本当の保護者支援となり、園との信頼関係が深められ、集客が続くことになるでしょう。
例えば保育園が考える保護者のニーズとしては、次のようなことをイメージするのではないでしょうか。
これらのニーズは年々高くなり、園児を募集する際にも園の情報として掲げているはずです。ここからさらに一歩踏み込んだ保護者のニーズを考えることが大切です。
保育園は「家庭での保育に欠ける」子どもが通う場所です。保育に欠けるというのは、保護者が子育てをする変わりに保育園が子育てをするということ。保護者がどのように子どもを育てたいのか、どんな子どもになってほしいのか、保護者の育児に寄り添った保育が必要になるのではないでしょうか。
「もう一人自分がいたら、こんなことをしたい、あんなふうに育てたい」という保護者の気持ちになるべく寄り添える保育ができ、それが保護者へ伝わることが大切です。
地域の状況や保護者の実態・ニーズを知ったら、保育園の園児募集のために経営側が行うべこと、できることを考えてみましょう。集客のためには目につきやすい園の特色を打ち出すほかに、どのようなことができるのでしょうか。
保育園の特色としてアピールできる点を見直してみましょう。
保護者の勤務時間の多様化に対応できるよう、認可保育園の場合は開園時間と閉園時間の延長保育をスタートする、認可外保育園であれば土日も開園する、時間預かりを行うなど、保育の開設時間について見直してみましょう。
保育園児の保護者は、時間的に、経済的に習い事をさせるのが難しいと感じている場合もあります。そんな保護者に成り代わり、外部講師を受け入れながら様々なお稽古事や園外保育などを取り入れてみましょう。英語や習字などの知的な学習のほかにも、農作業体験・牧場体験などの職場体験や、アウトドア・キャンプなどのサバイバル体験、自然観察会・バードウォッチングなどの自然体験、調理や工芸などの専門職体験なども良いですね。
お便り帳やクラスだよりなどのほかにも、家庭との連携を強化し、さらに安心して子育てができるようにしましょう。保育園側も保護者側も情報交換を密にしていくことで子どもの成長や気づきを共有しましょう。
そのような情報共有をすることで保護者が安心し、「良い保育園」「しっかりと子どもを見てくれる保育園」と情報が口コミとして広がることも大切なのです。
まだ未入園の保護者が保育園選びをするときに、情報を集める一番の手段はインターネットで情報を得ることです。日ごろの保育の様子やイベントの写真をふんだんに使い、公式サイトにアップロードする、フェイスブックやツイッター、インスタグラムなどのSNSを運用し、様々な情報を発信していきましょう。
SNSでは、まだ未入園の保護者からの質問を受けるなり、公式サイトでは保育士が日記のようにして育児のアドバイスをアップするなど、活発な動きを見せることが大切です。
また、園見学や保育の体験会、育児相談会などを開催することで園を知ってもらい、身近に感じて頂けるチャンスです。園内に担当の役職を設置し対応をしていきましょう。
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集客ができているということは、保育の質が高く、充実しているということです。それは保育士の質の高い保育があってこそ叶います。クラスを担当する保育士によって毎年の対応が違う、保育士によって「あたり」や「はずれ」があると保護者に感じ取られてしまうことがないよう、保育士の質の向上を図らなければなりません。そのために保育園ができることは以下の通りです。
保育士の人数を国の基準より多く配置し、休憩時間や有休休暇を取れるようにします。また、業務の効率化を図り、保育士が一日の中で子どもと関わらない『ノンコンタクトタイム』を設け、事務仕事の時間を作ることで、事務仕事が捗ります。子どもへの関わりがリフレッシュされたり、距離を置くことで新たなや課題に気づくこともできるでしょう。
「新人保育士は仕事を目で見て体感して覚える」という不確かなものではなく、子どもや保護者の対応についての悩みを拾い上げ、経験のある保育士と一緒に解決していきましょう。経験のある保育士や経営者との仕事上の温度差や保育観のズレを縮めていくため、どんな小さな悩みや分からない事もコツコツとフォローをしていきましょう。
難しい保護者や支援の必要な子どもへの対応・関わり方について、園全体で学習していきましょう。職員間で共通の知識を持つことは大切です。時間を作り学習することで、保育の質が上がるでしょう。
保育の方針や考え方については、意思統一を図りましょう。教育方針はもちろん、保護者のクレーム、事故や災害時のシミュレーション、困ったことが起きた時についての対応を繰返し確認し、意思統一しておくことで業務が円滑に進むでしょう。日々の保育に追われ、時間がない中様々なスキルアップと意思統一をすることは大変なことですが、すり合わせを行い意識や能力に差が出すぎないよう注意しながら運営しましょう。考え方や園の方針は社会情勢や保護者の変化していくニーズに合わせ、流動的にすることが大切です。これまでのやり方や古い考え方に縛られず、新しい考え方を取り入れていきましょう。
保育園の集客は、社会や保護者のニーズに流動的に合わせながら、常に子どもと保護者に寄り添うことを考えるのが一番の近道でしょう。
これまでの運営方法から少し視野を広げ、園に関わる人すべてにとって高めあう良き方法を考え、選ばれる保育園を目指しましょう。
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