保育の無償化が2019年10月からスタート。無料になって保育園はどうなる?
日々の保育園の運営の中でケガや事故、物の紛失はつきもの。きちんとお詫びをしてもクレームにつながることがあります。保護者からのクレームは子どもを思っているからこその言葉。今回は保護者と保育士の相互理解を深め、さらに信頼関係を高めるクレーム対応を考えます。
保育の中では全ての子どもから一日中目を離さないことは無理なこと。保育士が見えていない場所や時間に喧嘩をし、けがにつながるようなことが起きている時もあります。そのまま子どもから保育士へ伝えることもなく、一日が過ぎ、帰宅してしまったら、報告が無かったことに対して保護者は驚き、信頼も揺らぐことでしょう。
また、一度お詫びしたにも関わらず、何度繰返し園側で子どものものを紛失する、同じ子どもとの喧嘩で毎回ケガをさせられるようなことがあれば、保護者もクレームを言いたくなるもの。誰もがわが子のことを思うあまり、モンスターペアレントのようになってしまうことがあり得るのです。
それでは、クレームに繋がらないようにするには、ミスに対してどのような対応をすべきなのでしょうか。
年齢の小さなクラスは、言葉で状況を説明することは難しいもの。保育士は子どもの様子を敏感に察知することが大切です。
年齢が大きなクラスでも子どもの人数に対して保育士が少ない、手助けの必要な子どもがクラスに多い場合は、保育士を増やす必要があります。
繰返し喧嘩によるケガや、その他事故によるケガが続く場合は、上司や園に相談しましょう。クラスに保育士を増やしてもらうことが難しければ、例えば場面の切替え時間(食事の用意・散歩にでかけるまでの支度など)だけでもヘルプに入ってもらうという事例もあり、大変効果的です。
もしケガをさせてしまった時は、状況をすぐに確認しメモを取ること、ひどいケガの場合は保護者にすぐ連絡し、病院へ連れていくこととなります。保護者にはお迎えの際に、どういった状況でこうなってしまったのか、その後どんな対処をしたのか、処置の方法を説明し、お詫びします。また再度同じことが起きないよう改善点をお話ししましょう。
子どもがケガを負うことは保護者にとっては大変なショックです。それでも誠意を持った説明とお詫びがあれば、心も落ち着きクレームにつながることも少なくなることでしょう。
また、担当した保育士は、ケガをした時はもちろん、保護者に説明したことや保護者の様子を上司や園長にも報告することをおすすめします。こういった経緯を伝えておくことで、のちにクレームとなってしまった場合も対処を迅速にすることができます。
クレームにつながるようなことが起きた場合は、しっかりと説明しお詫びをしますが、それで終わりではありません。その後も毎日安全を確認しながら保育に臨みケガや事故を防ぐこと、ご迷惑やご心配をおかけした保護者の方には、子どもの様子をくわしく伝えるようにしていきたいですね。
また、お見かけした時は挨拶をしっかりする、その後の様子を聞いてみるなど、誠意を持った関りを増やし、信頼の回復に努めましょう。
保育園は大切なお子さんをお預かりしたままにお返しする責任があります。それでも事故やケガはつきもの。だからこそ保護者の方へ心を込めてお詫びし、状況を詳しく説明することが大切です。保護者は決してクレームを付けたくて言っているのではなく、大切な子どものことを思ってのことのはず。モンスターペアレントを生まないためにも、保護者とはもちろん、職員間でも日ごろのコミュニケーションを大切にし、仕事に向かいましょう。