ベビーセンサー(体動センサー)でSIDS事故を防ぐ|午睡チェックの負担も軽減
保育園生活の中で大きな時間の割合を占める子どもたちの「お昼寝」。園によってはしていない園や、年長になれば就学間近になるとお昼寝をしない園もあります。お昼寝はそもそもなぜしているのでしょうか。また、お昼寝をさせるときに保育士が注意しなければならないこととはどんなことでしょうか。今回は保育園のお昼寝ついて掘り下げてみましょう。
お昼寝の時間は、特に未満児や乳児が事故で亡くなるケースをよく耳にします。お昼寝の時間は子どもが眠ることで少し手が離れるため、打ち合わせや掃除、整理整頓や事務仕事の時間として充てている園も多いのではないでしょうか。ですが、お昼寝している子どもから目を離すことなく、事故防止のためしっかり見守ることが大切です。お昼寝中の事故防止のためにも保育士は交代しながらも、5分おきに呼吸や寝姿の確認をすることが必要です。
特に乳児のうつぶせ寝に関しては、すやすや眠っているように見えて実は亡くなっていたという事例があります。寝付くときにはうつぶせでも、眠った後は仰向けにすることを国も推奨しています。特に入園間もなくの時期であり、子どものストレス度合いが高く、保育士も子どもの発達や性格をまだ把握しきれていない時期や、季節の変わり目である11月に特に事故が起きやすいというデータが出ています。
保育士は小さな子どもの命を守るべき現場であることを、一人ひとりの保育士が自覚を持ち保育に当たることを忘れてはいけません。
お昼寝の時間は子どもだけにしないことが大前提です。必ず保育士がそばにつき、記録を取りながら全身のチェックを行いましょう。保育中にはなかなか全身のチェックを行うことは難しいものです。体に傷やあざなどがないか、足や手の爪の状態を把握しておきましょう。お昼寝中のチェックを習慣づけることで、保育中の変化に気づくことができるようになっていきます。
また、呼吸チェックをすること、うつぶせ寝を仰向けにすることなどを5分おきに行いましょう。この時一緒に注意したいことは、周辺に柔らかな布や布団がないか、ぬいぐるみなどがないか、ひもや子どもの衣類がないかなど、呼吸を妨げる恐れのあるものが周囲にないかチェックします。
お昼寝は食後に行われることが多いので、口の中に食べ物が残っていないかももチェックしましょう。意外と食べ物が残っていたり、小さなおもちゃを口の中に入れていたりと思わぬことがあるものです。
0歳児などの乳児は一斉にお昼寝をすることはなく、個々のリズムでバラバラにお昼寝をします。保育園にいる間に二度眠る子どももいるでしょう。チェックした時間や状態は必ずメモに残すようにしておきましょう。また、こういったお昼寝時のチェックをしていることは、保護者にも必ず伝え、家庭でも意識してもらうようにしましょう。
保育園で子どもがお昼寝をするメリットとはどんなことがあるでしょうか。
子どもの年齢が小さければ小さいほど、元気に活動できる体力には限度があります。午前中の活動や日々の疲れをとるため、また、ぼんやりしてしまうことで注意散漫となり起こりうる事故やケガをなくすため、さらには家庭での夜の睡眠不足を補うことができるメリットがあります。お昼寝をすることで夕方から夕食までの間に眠ってしまうことなく、夜もぐっすり眠ることができ、生活のリズムが整います。また、しっかり眠ることで体も頭もすっきりするため機嫌よく元気に活動することができます。
このように子どもへのメリットがもちろん大きいのですが、その他にも子どもがお昼寝をしている間に保育士がお便り帳をはじめとする事務仕事に向かえる、職員同士の打ち合わせができる、教材の準備や整理整頓ができるなど、様々な業務に対する時間を設けることも目的のひとつとされています。もちろん、交代で子どもの様子は見守っていますが保育園は子どもを預かる時間が長く、シフト制であることが多いため、様々な事務仕事や職員間の打ち合わせを持つ時間が取りにくく、全園児が降園した後となるとかなり遅い時間からのスタートとなってしまいます。お昼寝の時間を利用した保育士業務や打ち合わせはなくてはならない時間になっているのが現状です。
乳幼児突然死症候群は、何の予兆もないままに、主に1歳未満の健康な乳児に突然死をもたらすもので、窒息などとは違う病気症状です。厚生労働省では統計を取り、12月以降の冬期に発症しやすい傾向があることがわかりました。平成30年には60名(概数)の乳幼児がSIDSで亡くなっており、乳児期の死亡原因としては第4位となっています。
SIDS のリスクを減らすために重要な3つのポイントとしては、
出典/厚生労働省
などがあげられています。特に保育園については、お昼寝の時間でのSIDSの発生がほとんどのため、子どもを寝かせる姿勢など、お昼寝中でも目を離さないよう十分な注意が必要です。
昔からの習慣や保育園の生活の流れを見直す機会をもつのは大変なことです。近年はお昼寝を一斉にさせることに対するデメリットにも注目が集まってきました。例えば、お昼寝をすることで夜眠たがらず眠る時間が遅くなり生活リズムが崩れる、小学校入学寸前までお昼寝の習慣があると入学してからも授業中に眠くなることが心配、年齢とともに体力がつきお昼寝をしなくても活動できるようになっているのにお昼寝をしなければならず子どもにとってストレスになるなど、様々な理由があげられています。
そういったことに着目している保育園については、対策として就学前の4歳児、5歳児についてはお昼寝をさせない代わりにゆったりとした時間を持つ、一斉ではなく個々の生活リズムに合わせて無理なくお昼寝をさせる、などの動きが広まってきています。
3歳児などまだ小さな年齢であればお昼寝をしないと遊びながらウトウトする、遊びながら急に眠ってしまうこともあります。お昼寝をしない方針の園の保育士は、事故につながらないように注意深く見守る必要があります。
保育士の業務は数えきれないほどあります。その中でも午睡チェックは、保育士にとって負担はかかりますがしっかり行うべき業務です。特に乳児の保育経験が豊富な保育士ばかりではありません。人の手だけではどうしても限界があるでしょう。あってはならない午睡中の悲劇を防ぐためにも、人の手だけでなくシステムの導入で保育士の負担を軽減できればいいですね。どんなものがあるか見ていきましょう。
ICTシステムを導入するところは年々多くなってきています。導入による効果を得られていることがその導入実績に表れています。多くの書類業務をこなさなくてはならない保育士にとって、その時間を大幅に短縮できるなど、メリットは大きいです。人気のICTシステムを紹介します。
午睡時における窒息死やSIDSなどの突発的な事故を防ぐため、一般的に約5分ごとの「午睡チェック」が義務付けられています。保育士の午睡チェックは当然のことと言えます。しかし、静かに訪れる緊急事態に常に目を光らせ、早期に発見し蘇生処置を施すことは容易なことではありません。子供たちの安全を確保し、職員の負担を軽減するためにも、午睡チェックには効率的かつ確実な方法を模索する必要があるのです。午睡チェックの現場に体動ベビーセンサーの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
お昼寝は子どもにとって体力を回復し生活リズムを整えるために大切な時間です。個々の体力や年齢に合わせて臨機応変に対応していきましょう。また、お昼寝の時間は事故が起こりうることも念頭に置き、子どもから離れることなく様子をしっかり観察しましょう。
保護者のいないときに預けた保育園で事故が起こると、どうしても保育士への責任追及が起こります。そのためにもICTなどを活用し、子どもを守りながらも、事故前後に落ち度がなかったか確認する映像を残すなど、これからは手立てが必要になってくるかもしれません。