幼保連携型認定こども園とは?保育園・幼稚園との違いと運営メリット

幼保連携型認定こども園とは?保育園・幼稚園との違いと運営メリット

運営・経営

2020年8月26日

小学校へ入学する前は、保育園か幼稚園へ入園する人がほとんどではないでしょうか。
就学前の選択肢には保育園と幼稚園以外にも認定こども園があります。保育園や幼稚園とどのような違いがあるのでしょうか。今回は幼保連携型認定こども園についてご紹介しましょう。

認定こども園とは?

認定こども園とは、教育・保育を一体的に行う施設で、いわば幼稚園と保育所の両方の良さを併せ持っている施設です。2006年10月1日からスタートした制度であり、以下の機能を備え、認定基準を満たす施設は、都道府県等から認定を受けることが出来ます。

【小学校入学前の子どもに幼児教育・保育を提供する】
保護者の就業の有無に関わらず受入れをし、教育・保育を一体的に行う
【地域における子育て支援を行う】
すべての子育て家庭の保護者へ、子育てに不安や悩みに対する相談や親子が集まって過ごす場所を提供する

就学前の子どもに関する教育・保育については,保護者が働いていても働いていなくても同じ施設を利用したいなど,多様化する社会のニーズに応じこの法律が制定されました。子どもが育つ地域において小学校就学前の子どもに対する教育・保育並びに保護者に対する子育て支援の総合的な提供を推進するための措置を講じるものです。

出典:文部科学省/認定こども園について

保護者が働いていてもいなくても、どの子どもも同じように教育と保育が受けられる制度である「認定こども園制度」は保護者からのニーズが高く、国内の認可保育園や幼稚園が幼保一体型こども園に経営を変化させている現状です。
幼保連携型こども園で働く教諭や保育士は「保育教諭」と呼びます。「保育教諭」とは「保育士資格と幼稚園教諭の両方を持っている」人のことを言います。
また、幼稚園型や保育園型のこども園では「どちらか一つの資格でも勤務可能」となっていることもあります。保育士資格をもって いれば0歳〜5歳児クラスまで対応が可能。幼稚園の場合は3歳〜5歳児クラスの対応が可能ということになります。詳しくは下記、関連記事も参考にしてみてください。

≪ 関連記事 ≫
保育教諭と保育士との違い|資格取得の特例制度から

認定こども園は4種類、それぞれの違いとは?

認定こども園は4種類、それぞれの違いとは?
 
認定こども園には4つの種類があります。それぞれどのような管轄でどのような違いがあるのか見ていきましょう。

幼保連携型

幼稚園的機能と保育所的機能の両方の機能をあわせ持つひとつの施設です。日本国内では最も多く5,000件以上の幼保連携型認定こども園が設置されていると言われています。新設する場合は幼保連携型認定こども園となります。

幼稚園型

幼稚園の認可を持つ施設が、保育園としての機能を取り入れたものです。もともとあった幼稚園の設備や職員で、保育園の機能をプラスする形となります。これまで延長保育などで保育時間の確保をしてきた園も多くありますが、幼稚園型認定こども園となることで、3歳未満児を受け入れ、保育の要素も取り入れた運営となります。

保育園型

保育園の認可を持つ施設が、幼稚園としての機能を取り入れたものです。もともとあった保育園の設備や職員で、幼稚園の機能をプラスする形となります。これまでの保育の他に小学校入学を見据えた教育の部分を取り入れ、保育時間の多様化にも対応していく運営となります。

地方裁量型

幼稚園や保育園の認可を持たない施設が、「認定こども園」としての機能を取り入れたものです。例えば認可外保育園などが地方自治体の支援を受け認定こども園の機能を取り入れるような運営をいいます。待機児童の解消を目的としていることがほとんどです。
 
それぞれの開設方法は違いますがどのタイプのこども園も、保育園と幼稚園の両方の機能を併せ持ち、保育と教育の両方の面から多角的に子どもを保育・教育するための施設です。
0歳児~小学校就園前の子どもが一人ひとりの成長発達に合わせ一貫した教育と保育を行います。また、保育歴・入園歴や在園時間、登園日数や家庭環境などに応じて保育内容を工夫し、三歳未満児や三歳以上児の発達特性を踏まえた関わりや、異年齢児との関わりのも随時取り入れていきます。保育園、幼稚園の機能を併せ持ち、多角的な関わりを目的とする施設です。

参照:幼保連携型認定こども園教育・保育要領/内閣府

認定こども園の利用方法は?

認定こども園の利用方法は?
 
認定こども園へ入園を希望する場合は、どのように申し込みをしたらよいのでしょうか。申し込みをするには暮らしている市町村から利用のための認定を受けることとなります。対象となる子どもや利用できる時間帯、保育料などを見ていきましょう。

支給認定制度とは?1号・2号・3号認定について

認定こども園への入園を希望する場合、「1号認定」「2号認定」「3号認定」と子どもたちを3つに分け認定します。この認定は市役所が各家庭の状況や所得状況を確認したうえで認定し、保育料も決まっていきます。

認定こども園では、0歳~2歳の子どもは保育園のように過ごします。3歳以上就学前の5歳の子どもはおおむね14:30くらいまでは幼稚園のように、それ以降は保育園での過ごし方をし、お迎えを待ちます。

1号認定とは、幼稚園に該当する子どもを言います。3歳以上児でおおむね14:30まで在園する子どものことです。
対象:主に仕事を持たない保護者がいる家庭の子ども(延長保育は希望に応じて受けることが可能です)

 

2号・3号認定とは保育園に該当することを言います。2号認定は満3歳以上、3号認定は3歳未満児をさします。

 

保育料について

2019年10月より幼児教育・保育の無償化がスタートし子育て支援・ご家庭の負担軽減の観点から幼稚園、保育園、認定こども園などを利用する3歳から5歳までの全ての子どもの保育料が無償となりました。0歳から2歳までの子どもに関しては、住民税非課税世帯の方のみ無償となります。
これまで保育園を選ぶ理由として入園料や保育料などを考慮していた保護者は、今後、保育内容や保育環境、保育士の質などを考え入園を決めることになります。保育園側は、さらなる柔軟な姿勢と保育の質の向上を求められています。

認定こども園のメリット・デメリット

認定こども園は保護者の就労状況などによって退園したり転園したりすることなく、卒園まで継続して保育や教育を受けることが可能です。そのため、小学校入学に向けた教育的な関わりはもちろん、保育園としての機能である家庭的な関わりの中育っていくことができます。また、職員は保育士と幼稚園教諭の両方の資格を持っているので、多角的な保育をできることでしょう。デメリットはさほどないのではないでしょうか。

運営のメリット・デメリットは?

認定こども園は無認可の保育園などと違い補助金が支給されます。受け入れる子どもの年齢層も幅広く、多角的な保育・教育ができるとあって園児の確保もしやすいことでしょう。
勤務する職員は長時間労働や多角的な保育のため、労力が大きくなりがちです。勤務のローテーションを工夫する、ミーティングの機会を多く設けるなどして労働環境を整えていく工夫や努力が必要となるでしょう。

まとめ

認定こども園についてご紹介しました。これからさらに人気やニーズが高まってくる認定こども園について制度や入園方法、保育料や運営に関するメリットなど見えてきたでしょうか。参考になさってください。