保育園の室内遊び|0歳、1歳、2歳、3歳、4歳、5歳の年齢別の遊び方

学び・遊び

2020年2月3日

保育園生活では一日の活動のなかで中心となる「設定保育」という時間帯があります。登園し、朝の会などを終えた午前10時くらいから活動がスタートします。年齢やその日の子どもの体調や天候に合わせて30分から多いときは1時間半ほど、目標やねらいをもった活動を行う園が多いようです。今回は年齢別に楽しめる室内遊びについて、ご紹介しましょう。

室内遊びをするのはどのようなときか?

保育園での遊びのほとんどは、外遊びを行うことが多く、園庭で過ごしたり散歩に出かけたりし、五感への刺激を通してさまざまな成長を促すことを目的としています。また、開放的な雰囲気の中では子ども同士のトラブルやケンカが起きにくく、仲間意識を高め、譲り合いや一緒に遊ぶことの楽しさを学びます。
ですが、雨の日や気温が高い日・低い日、体調不良の子どもが多い日、保育士の欠勤が多く人出が足りないときなどは、出かけることができません。そのため室内での遊びが主な活動となります。室内はそのクラスの保育室か、お遊戯室・体育室などになるので活動内容は限られますが、保育士は年齢や季節を考慮しながら、ねらいを持った室内遊びを行っています。
年齢別に室内遊びの内容を見ていきましょう。

年齢別の室内遊び【集団遊び】

集団遊び
室内遊びの中でも、子どもたちが心も体も充実させながら遊べる「集団遊び」。ルールのある遊びや繰返し遊ぶことで楽しさを味わうことを目的にしています。

0歳~1歳児の集団遊びとは?

0歳児や1歳児はまだ友達と関わって遊ぶことは難しい年齢です。それでも保育士と遊ぶことを通してクラスの友達と同じ遊びをしている一体感を感じることはできます。簡単な遊びを繰返し行うことで、楽しさのほかに安心感をもたらします。また、人と関わることを通して特に担当の保育士との信頼関係を築くことを目指します。

かくれんぼ

物陰に隠れたり、バスタオルをかぶったり、みんなで隠れて鬼役の保育士を脅かしたりします。

おいかけっこ

まてまてー!!と保育士に追いかけられて逃げたり、保育士を追いかけたりして遊びます。

園内の探検ごっこ

「今日はオレンジ色のものを探しに行こう」などと保育士が働きかけ、園内を探検します。

しっぽ取りゲーム

ズボンやスカートのウエストゴムにビニールひもや紙テープをつけ、取られないように逃げたり、友達のしっぽを取ったりして遊びます。

簡単な遊びを繰り返したり、アレンジしたりし馴染みの遊びと少し新しい遊びをしながら集団生活の楽しさや友達・保育士の存在を意識していきます。まだまだ一人での遊びが楽しく、集団で遊ぼうとしない子どももいますが、焦らず見守ったり時々は誘ったりもしていきましょう。

2歳~3歳児の集団遊びとは?

集団遊び

友達を意識し仲良く遊びながらもケンカをし、相手にも気持ちや意思があることを知る年齢です。集団遊びではトラブルが絶えまなく続きますが、ケガにつながらないように見守ることが大切です。保育士が仲立ちとなって、子ども同士の言い分を聞き、お互いの気持ちを丁寧に伝えていきます。この頃の子どもは、遊びを通して友達や保育士に対する意識が高まる時期でもあります。

おおかみさん、いま何時?

「だるまさんがころんだ」をアレンジした、わらべうた遊びです。おおかみ役の子どもに全員で「おおかみさん、いま何時?」と歌いながら近づき、おおかみが「12時!」と答えたら一目散に逃げます。おおかみ役は友達をひとりつかまえます。つかまった子どもが次のおおかみ役をします。

サーキット遊び

低い跳び箱からジャンプする、なわとびを低く張った紐をくぐる、フープをくぐる、床にビニールテープで直線を引きその上を歩く平均台遊びなどを、丸くコーナーにし配置します。上記のような運動遊びを繰返し行い、体の運動機能やバランス感覚を養います。

4歳~5歳の集団遊びとは?

友達関係ではケンカはまだまだあるものの、相手の気持ちを推し量ろうとする、または友達のケンカの仲裁に入るような姿も見られます。集団遊びではルールのある遊びを好み、自分たちで遊びを決め、ルールを考えアレンジすることもできるようになってきます。保育士は遊びを投げかけたり、盛り上がるようなスパイスを投じたり、見守りながらもまだまだ集団へ入っていけない子どもをフォローしていきます。また、負けたとき・ミスをしたときに友達に文句を言い、ケンカが起こることもあります。ケンカの仲直りをさせるための仲裁にとどまらず、クラスとしてどうしていかねばならないのか、不得手な友達、苦手な遊びのある友達がいたとき、自分たちにできることはなんなのか?などを考える機会を作っていきます。集団遊びを通してクラスの在り方や、友達のフォロー、ひいては苦手なことがある自分も見つめていくことへつながっていきます。

チーム対抗リレー

かけっこだけではなく、スプーンリレーや風船割り、段ボールキャタピラを使うなど

ドッジボール、サッカーなどのボール遊び

フルーツバスケット、ハンカチ落とし

じゃんけん列車

 

ルールを理解しみんなで守ることが、楽しさにつながること、また、クラスの友達とのつながりを感じさせることがねらいです。

 

年齢別の室内遊び【制作】

工作や制作を中心とした室内遊びを年齢別に見ていきましょう。

0歳~1歳児の制作あそび

未満児の頃は、素材へ触れることで得る刺激や素材が変化することを楽しむことが大切な時期です。

小麦粉粘土

万が一口に入れても安全な小麦粉・水・塩・食紅などを使って粘土を作ります。粉のサラサラ感、水を加えた時のべとべと感、粘土になった時のモチモチ感と、様々な感触を楽しみます。保育士が丸や四角、動物など作って見せ、真似をしようとします。

タンポ

スポンジや布をガーゼで包み、輪ゴムで留めて丸を作ります。丸い先端に絵の具を付け画用紙にポンポンとスタンピングします。お花や雨、雪などに見立てて「お花がいっぱい咲いたね」などと声をかけながら、色がついていく様子を楽しみます。

新聞びりびり

古新聞をびりびりと破いて保育室の床を新聞でいっぱいにします。新聞は柔らかく破けやすいので、少しの力で破くことができ、びりびりという音も刺激になります。たくさん割いたら、集めて雪のように降らせます。頭の上に降ってくる新聞の感覚も楽しみます。

2歳~3歳児の制作遊び

目的をもった製作ができるようになってくる時期です。完成したもので遊ぶところまでつなげ、制作の楽しみや醍醐味を理解するようになります。

制作遊び

粘土遊び

粘度の柔らかな感触を楽しみながら、少しずつ形を作ることを覚え楽しみます。

ひも通し

厚紙の周辺にパンチで穴を開け、毛糸やタコ糸などを通してあそびます。

フィンガーペンティング

洗濯のりや小麦粉を水と一緒に絵の具に混ぜ、とろみのある絵の具を作ります。筆ではなく指や手を使って描きます。直接ふれることでさまざまな刺激と、汚れを気にせず遊ぶことで解放感を得られ、ストレスの解消になります。

紙コップを使ったおもちゃ作り

紙コップの底からストローを刺しておきます。紙コップに画用紙でふたを作ります。ストローにはイラスト描いたビニール袋をセロテープで作り、紙コップの中へビニール袋を入れたらフタをします。ストローで息を吹き込むと、コップのふたが開いてふくらんだビニール袋が現れます。簡単にできて何度も繰返しあそびたくなる、簡単なおもちゃ作りです。

4歳~5歳の制作遊び

年中から年長になると、はさみやのりを使い、指先を器用に使った製作ができるようになります。また友達と違ったものを作りたいと創意工夫をする心も芽生えます。どのようにしたら壊れないか、どんなデザインだと可愛らしくなるか、どんな風に作れば遠くまで飛ぶのか…考えながら制作する子どもも増えてきます。

ドングリこま

公園で拾った集めたドングリに爪楊枝を刺し、コマにして遊びます。ドングリに絵の具や油性ペンで色を付けると楽しいです。

紙飛行機

それぞれが紙を折り飛行機にし、みんなで飛ばして遊びます。絵をかいたり、それぞれの工夫で楽しめます。

段ボールを使った家づくり

何名かのグループで制作すると、より大きな作品になり楽しめます。

お店屋さんごっこの品物づくり

どのような品物を作るのか話し合いからスタートし、必要な材料・工程を相談することも楽しむ。

室内遊びで気を付けたいこと

室内で遊ぶ場合に気を付けたいこととはどんなことでしょうか。日頃戸外遊びをしていると、室内遊びでは発散しきれない子どももいます。つい保育室内を走って友達とぶつかる、イライラした末に喧嘩になりケガにつながることもあります。しっかり目を配ることはもちろん、活動を細切れにする、または室内遊びをいくつか用意しておき、組み合わせて遊ぶのも良いでしょう。他のクラスと打合せをしておき、ホールやお遊戯室、体育館などを時間交代制で使うのもいいですね。15分程度でも広い場所で体を動かすことは子どもの発散になります。

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おわりに

保育園生活では戸外遊びと同じくらい欠かせない「室内遊び」についてご紹介しました。年齢が進むとできることが増え、集団遊びや制作の中で成長が垣間見えてきます。保育士はそういった様子をよく観察し、次の遊びのヒントを得る、今後の保育の中に取り入れていかなければならない課題を見出すなどしています。