保育園の外遊び|0歳、1歳、2歳、3歳、4歳、5歳の年齢別の遊び方

学び・遊び

2020年1月20日

保育園生活にとって外遊びは欠かせない時間です。子どもの体と心の健やかな成長を促し、数多くの刺激を与え、集団生活の中にあって開放的な外遊びの時間。保育士はどのような準備とねらいをもって活動したら良いのでしょうか。外遊びについて、考えてみましょう。

保育園生活での外遊びの大切さとは?

“第1章1-(4)保育の環境
保育の環境には、保育士等や子どもなどの人的環境、施設や遊具などの物的環境、更には自然や社会の事象などがある。保育所は、こうした人、物、場などの環境が互に関連し合い、子どもの生活が豊かなものとなるよう、次の事項に留意しつつ、計画的に環境を構成し、工夫して保育しなければならない。”
出典:保育所保育指針解説/厚生労働省

子ども一人ひとりの成長を促すため、保育所や周辺の環境を使って豊かな経験の場を与える必要があります。その中で大きな役割を持つのが、戸外遊びです。保育士は子どもと関わる全てのことにねらいや目的を持った関わりをしています。特に戸外遊びでは、園内では経験させることのできない自然環境や開放的な空間で、さらなる遊びを広く深く展開していくことが大きなねらいでもあります。
子どもたちは家庭環境や一人ひとりの成長発達の度合いも違います。集団生活でのストレスも多くあることでしょう。ですが、外へ出かけ自然に触れたり、園外の空気を吸ったり体を動かしたりすることで、開放的な気持ちになり、ストレス発散にもなります。また、友達や保育士との関わりを楽しみ、遊びもさまざまな方向へ展開していくことでしょう。
体力もつき、心だけではなく体の成長発達も促します。保育園生活にとって、外遊びはなくてはならない大切な保育のひとつなのです。

年齢別に見る外遊びの内容とねらい

年齢によって外遊びでの過ごしかたやねらい、注意すべき点は変わってきます。年齢別に内容を見ていきましょう。

公園

0歳~1歳児

0歳~1歳の子どもはまだ歩くことができないのでベビーカーなどに乗せて日光浴や外気浴が目的となるでしょう。また、歩くことができる子どもは保育士と手をつないで歩くことを楽しみましょう。暖かな季節であれば、敷物を持って公園で過ごすのもいいですね。時間はその日の気温や子どもの体調に合わせて臨機応変にしますが20~30分くらい過ごすのが適当です。
公園では天候の変化や、ハチ・やぶ蚊などの害虫、公園にいる人など、さまざまなことに目を配り、安全に留意します。

2歳~3歳児

2歳になるとできることが増え、その分保育士が留意しなければならないことも増えてきます。友達や保育士と手をつなぐのを嫌がる子どももいるでしょう。そんな時はマンツーマンで対応しながら、少しずつ友達と集団で動くことの大切さを伝えていきます。戸外では40~45分くらいは持続して遊ぶことができるようになり、自然現象や草花、虫などに興味を示し、簡単な鬼ごっこなどのルールのある遊びを楽しめる子どももいます。保育士は子どもの発見を受止め、楽しく遊べるように盛り上げ役となり、一緒に多くの共感をします。
遊具のある公園では起こり得るさまざまなことを想定し、ケガにつながらないよう見守ります。

4歳~5歳児

集団生活がしっかりと身に付き、クラスごとでの移動や、集団で遊ぶことが可能になります。一人で遊ぶことから始まり、少人数のグループでの関りや、クラス全体でのルールのある遊び、目的のある行動も楽しめるようになります。散歩に出かけるのだけではなく、「春を見つけに行こう」「手つなぎ鬼をしに行こう」「サッカーをしよう」など、その日のテーマを決めて出かけることも大変喜ぶようになります。
散歩として歩くことが目的の時は、目的地を遠くまで設定し、体を鍛え体力の増進を目指すこともあります。4~5歳児になると1時間ほどは外遊びが可能です。それでも子どもの体調や天候に合わせ、無理や危険のないように配慮します。

戸外遊びでの注意点とは?

外遊びへ出かけることで、子どもたちはとても開放的な気分になり、急に車道へ向かって走っていく、急に座り込むなど、普段園では考えられないような行動をすることがあります。特に新学期や入園したての春などは、まだ集団生活やクラスでの行動に慣れていない子どもが多く、保育士は十分な注意や配慮が必要です。

友達と一緒に散歩に行きたくない、戸外遊びは行かないと愚図る子どももいることでしょう。また、身支度に時間がかかり他の子どもを待たせてしまうこともあるかもしれません。手をつないだり、他の子どもと同じペースで歩いたりすることを嫌がる子どももいます。
また、少し年齢が進んでくると、石を投げる、木の枝で友達をつつく、草花を口にする、などの危険な行為のほか、ブランコが頭に当たる、滑り台の階段を踏み外す、転ぶ、ジャングルジムから落ちるなど遊具に関わるケガが起こることもあります。どんなに注意をしていても、ケガにつながってしまうこともありますが、保育士は常に子供の動きを予測しながら、危険を察知し、子どもに寄り添って程よく注意を促すなどの工夫が必要です。

さらに、散歩へ出かける前は、保育士同士で誰がどのような役割を担うか、打合せをしておく必要性があります。子どもの先頭になり目的地までを引っ張る保育士、最後尾に付き歩みが遅くなる子どもを促す保育士、中間に付いて全体の様子を把握しながら常に動ける保育士など、役割を決めておきましょう。
そして、散歩に出かける前と目的地から園に戻る際は、必ず子どもの人数確認を忘れずに行います。慣れていても、不明になっている子どもがいないか、目的地へ保護者が直接迎えに来ていた等、子どもの動向を把握しきれていないことはないか、迷子はいないかなど不測の事態にいち早く気づくことができます。人数の多いクラスの保育士は、クラス名簿を必ず持参することをおすすめします。慣れていても慌ててしまうと、誰がいないのかわからなくなってしまうこともあります。クラス名簿があれば順番に確認することができるので、落ち着いて人数の確認ができるのです。

散歩のときに必ず持って行きたい持ち物を確認

  • 救急用品
  • 着替え
  • タオル
  • ビニール袋
  • 携帯電話
  • クラス名簿(人数確認時、不明な子どもがいないか確認するため)
  • 飲料水(子どもに各自で持たせることもあり)
  • ティッシュ
  • 敷物
  • ビニールひもや、レジ袋など遊びに使えるもの
  • カメラ

保育園の運営体制によっても変わってきますが、最低限持って行きたいものですね。特に携帯電話は、クラスごとに割り当てがあると保育士も心強いでしょう。
 
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おわりに

外遊び

戸外遊びは子どもの発達成長になくてはならない大切な保育活動です。子どもはもちろん、保育士にとっても子どもと自然と触れ合える大切な時間なのではないでしょうか。安全面に留意し、万が一何かがあったときの対処を園内で話し合い、危険個所や危険な子どもの動きなどの情報交換を常に行っておきましょう。そして、子どもの年齢やクラスの状況、天候や気温を十分に観察し、無理のないように楽しみ、子どもの五感を刺激する働きかけや遊びを提供しましょう。