発達障害の種類|保育士が認識しておくべき知識
保育園に通ってくる子どもの保護者の中には、トイレトレーニングを始めることへ、心配や不安を抱えていることも少なくありません。離乳食と同様、保育園に預けていて助かったことであげれられることも多いですね。普段当たり前に行っている保育園でのトイレトレーニングの方法をおさらいしながら、時期ややり方、そして保育士としてのアドバイスポイントについて確認していきましょう。
トイレトレーニングは、訓練ではありません。子ども自身の「自分でやりたい」という意思や、できるようになった喜びを大切にしながら、排泄に対する自立を促していくことです。ストレスやプレッシャーを感じて、精神的に不安定になることもあります。子どもと楽しみながら自立に向かうプロセスを大切にしていくことが基本となります。
子ども自身が排尿のタイミングを感じるようになったり、トイレに興味をもったりするタイミングでスタートします。子どもによって個人差がありますが、保育園では歩行が始まり、大人と言葉による受け答えができるようになったタイミングが望ましいです。また、トイレの間隔が2時間程度空くようになったことも目安の一つです。
子ども自身が保育園での生活に慣れていることも大切なポイントです。安心してスタートするために、生活の中で急激な変化(引越しや進級、妹や弟の誕生など)の前後は避けるようにしましょう。
保育園では、お友達のトイレトレーニングの様子が身近にあることや子ども用の便器が常備されているなど、環境的に整った状態です。そのため、子ども自身もサインを出したり、トイレに行きたい気持ちを持ちやすくなります。
トイレに行きたいというサインは、
などが挙げられます。これらの様子がないか注意深く観察し、おまるや子ども用のトイレに誘ってみることから始めましょう。
トイレトレーニングを始めると、子どものタイミングに合わせた排泄の手間が増えるため、ついつい「早くできるようになって欲しい」「昨日はできたのに」といった大人の焦りが出てしまいがちです。早くできるようになることよりも、子ども自身が「成功体験」として排泄の自立を身につけることが大切です。
トイレトレーニングに限らず、子どもの発達はできるようになったことができなくなったり、なかなか出来ないと思っていたことが、ある日突然できるようになって驚かされたりするものです。いろいろな出来事を前向きに受け止め、子どもと言葉を交わしながら、味わっていくために、トイレトレーニングの流れを細かく見ていきましょう。
子どもが、排泄の自立に対して興味や関心を持ったり、排尿のタイミングを体の動きで表すようになったら、トイレトレーニングを始めてもいいサインです。
最初の頃は、おむつを脱いでトイレに座ることから始めましょう。
園児が喜ぶトレーニングパンツを保護者に用意してもらったり、おうちでパンツに記名する様子を園児に見せてもらったり、実際に触らせたり履かせたりしてもらう事でも心の準備が整っていくので、家庭との連携が大切です。「指導」という感覚ではなく「子どもの主体的な気持ちや態度」を育てる関わりを心がけましょう。
「昨日はトイレでおしっこができたのに今日はおむつにしてしまった。」
「遊びに熱中していてトレーニングパンツにおしっこをしてしまった。」
このようなことは、きっとどの子にもある経験です。その日の「できた」「できない」よりも、できた時の「喜び」「コツ」「タイミング」を共有し、子ども自身が身につけていくことが大切です。感情で一緒に喜ぶことに加え「知らせてくれたこと」「パンツの着脱が上手くなっていること」「おしっこが出て気持ちよかったこと」など、子どもが感じていることを言葉にして伝えていきましょう。
パンツで過ごせることは、子どもにとって喜びと共に自信にもつながります。だからこそ、失敗した時のショックが大きかったり、他の子どもたちからの反応が気になったり、遊びを中断してしまうことで嫌な気持ちが生まれるものです。保育士にとっても、衛生面での配慮が必要となり、さらに洗い物が増えることで負担になるかもしれません。
子ども自身がいろいろな感情を持つからこそ、保育士は落ち着いて、笑顔で対応することが重要です。失敗を責めたり、プレッシャーになるような声掛けは避けましょう。
おうちと保育園では、物的・人的・空間的・そして時間的な環境に大きな違いがあります。保育園には様々な子どもたちがいること、保育士という専門性を持った人たちが複数いること、子ども向けの備品が整っていること、日中の大部分を規則正しく過ごすことなど、あらゆる面で子どもたちが育つ環境として恵まれています。保育士は当たり前にその環境を活用しているからこそ、おうちの環境や保護者が子育てでぶつかる壁、そして生活の様子が想像しにくくなりがちです。子どもの発達に関する専門家だからこそ、子どもの家庭での様子をよく聞き、保護者が抱える心配事に対して応答性を持ったアドバイスを行いたいものです。
トイレに行きやすい環境であることが重要な要素と言えます。保育園は、子どもの用のトイレが並び、プライバシーに配慮しつつも、子どもが安心してトイレに行ける環境が整っています。
しかし、おうちによってはトイレに窓がなく寒く薄暗かったりし、子どもにとっては居心地の悪い空間になっていることも少なくありません。適度な明るさを確保し、キャラクターの物を置いたり、子どもが落ち着く匂いを用意したりと、子どもが空間を楽しめるような仕掛けをするといいでしょう。保育園同様、環境の力を借りながらトイレトレーニングを進めていくことも、保護者へ伝えたいですね。
保育園ではお友達に刺激されてトイレトレーニングが進みます。しかし、おうちだとなかなか保護者への甘えたい気持ちが出たり、リラックスムードで気持ちが緩んだりするものです。そのこと自体は、子どもの精神面において、大事な要素でもあります。
「今日は〇〇ちゃんと一緒にトイレに行きました」「トイレに関する絵本を読みました」など、お友達とトイレで過ごしている様子や、園での取り組みを保護者に伝えることで、おうちのトイレでの会話の種にしてもらうことも一つの方法です。
いろいろな子どもたちのトイレトレーニングを見てきた保育士とは違い、ほとんどのお母さんは初めてトイレトレーニングに取り組んでいます。その子に合わせたトイレトレーニングの方法やタイミング、園での様子を細かく保護者に伝えるこだけでも充分なアドバイスとなります。
「できた」「できない」以外の「挑戦しているね」「かっこいいね」「自分でパンツが履けたね」「いっぱい出て気持ちよかったね」「トイレに間に合うか、ドキドキしたね」など、保育士がかけている言葉を知らせていきましょう。
保育士は、子どもの小さな変化や成長、できるようになったことを発見することに長けています。トイレトレーニングの場合「ズボンに足を入れることがうまくなった」「トイレの順番を、落ち着いて待つことができた」「外で遊んでいるときに排泄のタイミングを知らせてくれた」など、さまざまな「できた」があることを知っています。小さな「できた」を言葉にし保護者に知らせることで、保護者も前向きにトイレトレーニングを進めることが出来るでしょう。
どの家庭も経験する「トイレトレーニング」だからこそ、有効なアドバイスができることは、保育士のスキルとしてとても大切です。できたりできなかったりを繰り返すからこそ、その経過を保護者とも共有し一緒に喜んだり考えたりしながら進めていきたいものですね。
保護者とのコミュニケーションを密にし家庭での様子も聞きながら、保育園でのやり方を踏まえて一人ひとりに合ったアドバイスをしていきましょう。