保育園の歯磨き指導のすすめ方|ねらいと新しい生活様式での注意点
鮮やかな色の画用紙で飾られた窓を見かけると、保育園を浮かべる方も多いようです。子どもたちにも馴染みのある「壁面」は、季節感や楽しみを持つだけでなく、教育的な意図を持つこともあります。この記事では、冬の季節は行くことが億劫になる「トイレ」での、壁面の活用方についてお知らせします。
子どもたちの作品を飾る、なるべく自然なものを取り入れると言う方針の園も増えています。壁面飾りの作成が保育士の負担になっているという声も聞こえてきますが、子どもたちが生活の中で身につけていくことを助けるために一役買っていることも事実です。特に、衛生面や食育の場面など、教育的な意図を持って活用することは有効です。今回は、冬に活躍する場面を中心に見ていきましょう。
日に日に寒さがます中、大人でも、手を洗うことに抵抗を持ちます。さらにこれからの季節は、コロナウイルスに加えインフルエンザや嘔吐下痢症が流行る時期でもあり、感染症対策がますます重要になってきます。肌寒く、冷たい印象のある手洗い場でも、楽しい壁面装飾があると子どもたちが自ら手洗い場に行きたくなります。保育士による声掛けも重要ですが、洗い方のお知らせや「きれいになったね」などの言葉が壁面などにあると、子どもたちの手洗いの意識にも影響することでしょう。
タイルやコンクリートで作られたトイレは、季節を問わずいきたがらない子どもたちもいます。また、トイレはひとりになる空間であるため、不安な気持ちになったり、閉じ込められたように感じることも、原因の一つです。トイレを装飾することで、明るい雰囲気を作ることにつながり、トイレに入る不安が軽減します。衛生面にも気をつけて、こどもたちの自立を、環境的にも手助けたいものです。
また、トイレは死角にもなりやすいため、人的な配置以外の工夫が必要となる場所でもあります。
保育園・幼稚園・こども園のロッカーの様子は、園やクラスによって様々です。開放的な場合もあれば、閉鎖的で静かな環境を設定していることもあります。
それぞれ保育園の意図がありますが、必要なのは「楽しく自立を身につけていくこと」です。特に、冬の間は、着ているものの枚数が増え、ロッカーにいる時間も長くなります。子どもが生活の中で自立していく上で、着替えは大切な要素だからこそ「自ら進んで」着脱できる環境を整えたいですね。そのために壁面飾りを有効に利用したい場所でもあります。
保育現場での壁面飾りについては、大正時代の写真で確認できるという報告もあるほど、長い歴史があります。最近では、保育士の業務改善や、デザインに対する考え方など、様々な意見が挙げられていますが、これまで活用されてきた背景も考えた上で、より良い方法を考えていくことが大切です。
ここでは、壁面飾りの効果について、確認してみましょう。
入園当初やお休み明けなど、子どもたちは園に来たい気持ちよりも、不安が大きくなることがあります。そんな時こそ、見ていて楽しい飾りや、興味のわく装飾があることで、心が和むものです。「この折り紙見てみて?」「誰が描いたのかな?」など言葉でのコミュニケーションを取る、一つの材料としても活用できます。
また、トイレや手洗い場などの一人になりやすい場所に、壁面飾りがあることで、「一人じゃないんだ」と安心感を感じることにもつながります。
給食の栄養素や、手洗いの方法、園の近くの散歩道など、伝える内容がはっきりしているものであれば、子どもたち自身で「こうすればいいのか!」「次は何をするんだっけ?」「どこに行くのかな?」などど、確認することができます。
保育士からの指示やお知らせだけでなく、自分で考えて知ることやできることが増えると、園での生活がますます充実していきます。
食育に関することや、自分の体を守ることなど、子どもたちにわかりやすく示されていることで、自ら進んで行動することが楽しくなってきます。
「やらされる」「身につけないとと、プレッシャーを感じる」よりも、生活の中で、楽しみや喜びを持って取り組むことにつながります。限られた保育士定数だからこそ、子ども自身が目で見てわかる、そして安心感のある壁面飾りを活用することで、子どもたちの自立の機会を応援することにもつながります。
保育の中に教育的な意図があることや、生活の中で自立のために取り組んでいる内容は、連絡帳やお便りだけでは伝わりにくいものです。「手洗いの仕方」や「トイレの使い方」「トイレットペーパーを使う時の長さ」などを、子どもたちの発達段階に応じて壁面飾りで伝えてあります。保護者が園に足を運んだ時に、環境の中で感じることも多くあるため、壁面飾りには、大切なことを保護者と共有するための役割もあると言えます。
壁面飾りは、考え方、活用方法によって、様々な効果が期待できます。保育現場での壁面飾りの効果を発揮するためのアイディアを考えてみましょう。
壁面飾りは、一般的に画用紙や色紙を使ったものが多いようですが、子どもへの伝わりやすさや、保育士の業務軽減を考えると、写真の活用も効果的です。
特にトイレの正しい使い方や手洗い、歯磨きなど、自分の衛生面に関わることは、就学までに身につけなければなりません。
園での生活の中で、日常的に正しい手洗いや歯磨きの方法を確認できるよう子どもたちに伝わりやすい壁面飾りを心がけましょう。
子どもが自ら確認できるような写真を活用するといいでしょう。実際に、子どもたちと協力して撮影してもいいかもしれません。
トイレは、保育室や掲示板などに比べ、衛生的な配慮が必要です。
せっかく作成した壁面飾りに、ウイルスや汚れなどが付着し、感染症が拡大するようなことは避けなければなりません。ラミネート加工をし、水拭きや消毒でのふき取りにより、こまめな衛生管理を行うようにしましょう。また、ラミネート加工を行うことで、壁面飾りの長持ちにもつながります。
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保育施設での壁面飾りは「壁」を飾られていることがほとんどすが、トイレでの壁面飾りは、子どもたちの目線や、行動範囲をイメージして配置するようにしましょう。
寒い冬は体も冷えるため、トイレに行く回数も増え、感染症も流行するからこそ、保育士は保健衛生への意識を高く持つ必要があります。特に、コロナウイルスの感染拡大により、保健衛生に対する世の中の基準も高くなっています。限られた保育士人数では、直接的な援助にも限界があります。保育士で対応できないこともあるからこそ、効果的に壁面飾りを活用して、子どもたちの自立を促していきましょう。