保育園・保育施設の開設に必要な備品をカタログリストから揃える
集団生活である保育園は様々な感染症が蔓延しやすい環境にあります。子どもはもちろん保育士や職員も対策をすることが大切です。コロナウイルス・インフルエンザをはじめとした感染症を防ぐには、どのような方法があるのでしょうか。基本に立ち返り確認してみましょう。
感染症はどのように人にうつり、広がっていくのでしょうか。特に今、全世界で蔓延している新型コロナウイルスや、インフルエンザの対策としてできることを中心に調べてみましょう。
今、世界中で猛威を振るう新型コロナウイルスは、どのように感染が広がるのでしょうか。新型コロナウイルスについては、まだまだわからないことが多くありますが、接触感染や飛沫感染をすることが分かってきています。
空気中や、衣類や物についたウイルスは何時間~何日も死滅せず残ると言われています。そのため、換気のない屋内などでお互いの距離が十分に確保できない状況のまま一定時間を過ごすことは大変危険です。
不特定多数の人が触る場所を触ったまま手洗いや消毒をせず、食事をしたり自分の顔に触れることが、感染につながります。
保育園は集団生活であり、様々な場所を様々な人が触れます。どのような対策がとれるのでしょうか。
まずは自らがウイルスに感染しないように予防することが大切です。正しい手洗いの方法としては、石鹸を使いよく泡立て、手の甲をこすり洗いし、指の間や親指と手のひらをねじり洗い、指先や爪の間、最後に手首を洗い完成です。石鹸を使い最低でも15秒以上洗うこと、特に指先や親指などは洗い残しが多い箇所なので、子どもにもその都度確認しながら行うことが大切です。
イラストや動画を使ったり、実際にその都度保育士がやり方を見せて洗う、低年齢クラスの子どもは保育士が手を添え援助することも必要でしょう。
参考動画:正しい手の洗い方/政府インターネットテレビ
また、その後はアルコールなどで消毒することでさらに感染防止となります。また、うがいも併せて行うことを習慣にしましょう。
マスクは、ウイルス感染を100%防止することはできません。マスクをつける目的としては、自分がもしウイルスを保持している場合に他の人へ感染させることを防ぐこと、健康な人であればマスクの着用により手を介してウイルス感染することを防ぐことです。
そのため、使ったマスクは破棄するか洗って乾燥させることなどが必要になります。繰返し同じマスクを使用することは避けましょう。
小さな子どもはマスクを長時間つけていることが苦痛かもしれません。例えばかわいいキャラクターの生地で手作りしたり、サージカルマスクなどであれば小さなイラストを描いてあげたり、マスクをしていることを褒めたり、みんな一緒だね!と楽しい一体感を持たせることで、マスクをすることに慣れさせます。
薬局やスーパーでは様々な消毒・殺菌用品が販売されています。それぞれどのような違いと目的があるのか、しっかりと理解して購入・使用をしているでしょうか。
文字からではイメージしにくいものですが、「菌」を殺すもの・殺さず増殖をさせないもの・菌を取り除くもの・寄せ付けないもの、など様々な意味合いがあり、製品によって使うことができる言葉は違ってくるようです。
ここでは、ウイルス感染に伴いそれぞれがどのような目的や違いがあるのかを知っていきましょう。
「殺菌」とは、その名の通り「菌を殺す」ことです。すべての菌を殺すことができなくても、菌の数が減れば殺菌となります。医薬品と医薬部外品でよく目にするのではないでしょうか。市販薬や薬用せっけん、ハンドソープなどにも殺菌と書かれている商品があるでしょう。
「抗菌」とは、菌の繁殖を抑えるという意味で使われています。今まで付着していた菌を減らしたり殺すことはできません。食器洗剤やお風呂・トイレの洗剤などのパッケージに表記されているのを見かけることが多いかもしれません。
菌が増殖しにくい環境を作ることが目的のため、きれいにした後に抗菌をするのなら効果があるでしょう。
「除菌」とは、菌を取り除くという意味があります。今ある菌を取り除く効果があるようです。医薬品や医薬部外品以外では「殺菌」という表現を使うことができないので、食器洗剤やアルコールスプレーなどに表記されているのを見かけるのではないでしょうか。
「滅菌」とは、有害・無害を問わず、微生物やウイルス含むすべての菌を死滅・除去することです。菌は熱や薬品などを使って滅菌されます。日本薬局方では微生物の生存する確率が 100万分の1以下になることをもって、「滅菌」と定義しています。菌を除去し死滅させる確立の中では最強の方法です。
身近な商品としては滅菌ガーゼなど、保育園でも救急用品として用意しているのではないでしょうか。
「消毒」とは、病原性のある微生物を死滅・除去させて害のない程度にすることで、目的としては無毒化することです。薬事法上の言葉で、「医薬品」や「医薬部外品」のみに使用できる表現です。消毒に使うものとしては、アルコールスプレーやハンドジェル、ウエットティッシュなどがあります。コロナウイルスが流行している間は入手が難しく、店頭には並んでいませんが、予防には石鹸でこめまに手洗いをする方が有効と言われています。
子どもは好奇心いっぱいに様々なところに触れ、友達とも触れ合います。手洗いができたとしても声掛けがなければしっかりと洗うことを習慣づけるのはなかなか難しいものですね。
そこで、保育園が施設としてできるウイルスの除去としての対策を考えてみましょう。
おもちゃや園庭の遊具、絵本などはこまめに消毒したいもの。しっかりと手洗いをしていない子どもや、もしかしたら手洗いを全くしていないままの手で触れている子どももいるはずです。乳児クラスなど低年齢の子どもは、おもちゃを口に入れてしまうことも多々あることでしょう。しっかり毎日消毒をするよう心がけましょう。
アルコールが入手できなければ「次亜塩素酸ナトリウム」を希釈し、毎日拭きましょう。「次亜塩素酸ナトリウム」とは、市販されている漂白剤のことです。
ぬいぐるみや布製のおもちゃは、定期的に洗濯をすることで除菌が可能です。加えて日光での消毒も推奨されています。
基本的には汚れを落としてから、次亜塩素酸ナトリウムで消毒し、乾拭きをします。あまりに汚れがひどく、落ちないときは処分することも必要です。
保育室で子どもの手が触れる場所は全て消毒をしましょう。ドアノブ、手すり、トイレ、流し、ロッカーやドア全面、靴箱や照明のスイッチなどにも触れているかもしれません。
また、子どもよりも行動範囲が広い大人の方が菌やウイルスを持ち込んでいる可能性が高いものです。職員室のドアや机、職員が触れるもの、玄関や電話機など忘れず消毒しましょう。
おもちゃの消毒でも触れましたが、アルコールが入手できない場合は、市販の漂白剤を薄めることで消毒をすることができます。希釈方法を間違うと思わぬミスや事故につながるので、よく確認し慎重に作成しましょう。
下記のサイトに詳しい希釈方法や消毒方法が掲載されています。参考になさってください。
出典:新型コロナウイルスの感染を予防する消毒方法について/東京都中野区
保育園はウイルスや感染症に対して対策をしないまま過ごすと蔓延しやすい環境です。日ごろから換気・掃除・消毒をこまめに行うこと、手洗い・うがい・マスクの着用を子どもとともに習慣づけることが大切です。また、保育園内で過ごすときだけではなく、勤務時間外、保育時間外でも同じように心がけなければ、保育園の中へウイルスを持ち込んでしまうことも起こりえます。
保育園生活では、3密は避けられないものです。ウイルスを持ち込まない、持ち込ませないためにも、殺菌・除菌・抗菌、そして日々の消毒を続けましょう。
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