保育園でのAED導入|補助金や助成金が使用できるか確認しよう

保育園でのAED導入|補助金や助成金が使用できるか確認しよう

備品・サービス

2020年7月1日

駅やコンビニなど、日常でAEDを目にしない日はありません。
AED製造販売業者の協力による、AEDの販売台数の調査から、日本におけるAEDの設置台数は右肩上がりです。
AEDの販売台数の累計(平成16~28年)

参考:AEDの普及状況 (公益財団法人 日本心臓財団)

普及の背景には、平成25年に厚生労働省が自動体外式除細動器(AED)の適正配置に関するガイドラインを公表したことがあげられます。平成30年には補訂され、自動体外式除細動器(AED)がさらに普及しました。実際に救命例が出てきていることもあり、今後も活用例が増えることが予想されます。
保育園も例外ではなく、子どもの安全を第一に考え、AEDの設置が進んでいます。

保育園でAEDを導入する際のチェックポイント

保育園でAEDを導入する際のチェックポイントは、導入方法の決定や緊急時に使えるようになるための講習の実施、担当者の決定、小児用パッドの用意などです。
特に導入方法については、その後の使用方法やコストにも影響するため、しっかりと検討する必要があります。

AEDをリースか買取を決める

AEDの主な導入方法は、リースか買取の2つです。

AEDを買い取る場合
本体だけで約20~40万円かかります。 さらに、消耗品である電極パッドとバッテリーも必要となります。電極パッドとバッテリーの費用はメーカーや機種、使用期限によって料金が変わりますが、5年で約5~6万円かかります。

 

AEDをリースする場合
予算も立てやすく、経費処理も簡単です。期間に関しては、メーカーの保証期間に合わせて、5年に設定されているメーカーが多いです。AED本体の耐用期間が8年のものあるため、長期間のリースも設定されていることもあります。

 
保育園の予算の状況や、経営方針、管理の方法などを考慮し、導入方法を決定しましょう。

AEDの耐用年数について

AEDは未使用であっても、耐用年数があります。機種によって約5~7年の設定となっていますが、動作確認やパッドの更新などのこまめな管理が必要となります。
毎日の仕事ではないため、担当を決めていても要領を忘れていたり、引き継ぎがうまくいかないことなども懸念されますので気を付けましょう。

AEDの導入費用とランニングコスト

AEDは導入して終わりではなく、いつでも使える状態を維持・管理していくことが重要です。ランニングコストとして、電極パッドやバッテリー、メーカーによる点検などの費用がかかってきます。

AEDを一括購入した場合

一括購入は初期費用はかかるものの、総額での費用は安くなります。
しかし、AEDの点検担当者がしっかりと管理をしないと、いざと言うときにうまく機能しないケースもあります。一括購入の場合、消耗品の期限管理や操作方法の確認などの徹底が難しく、使用できない状態になっていることもあります。また会計上は固定資産となるため、減価償却の対象になります。

AEDをリースした場合

リースを選択した場合のメリットは、予算化しやすいことです。固定資産にはなりませんし、初期費用とランニングコストの負担が少ない形で導入することができます。
また「期間を限定して導入したい」という保育園にもおすすめです。契約内容については、それぞれのメーカーによって設定が工夫されています。
機種、サービス内容、料金、保守期間などをしっかりと確認した上で契約しましょう。
また、天災や盗難などに対する補償が用意をされていることもありますので、契約時に補償金の検討も忘れないようにしましょう。

耐用年数があるのでリースがお得

AEDは精密機械であるため、耐用年数があります。AEDの法定耐用年数は4年となっていますが、大半のAEDの保証期間は、5年間となっています。
AEDは使用できる状態かどうか診断する自動セルフテスト機能が搭載されています。電極パッドの接続、バッテリの容量、電気回路などが自動で診断され、正常であれば青ランプが点滅する(機種によって異なる)作りになっています。管理の面でも、費用の面でも、リースがお得であることは一目瞭然と言えます。
 

小児対応AED カーディアックレスキュー

 

補助金や助成金が使用できるか自治体に確認する

AEDの設置には、まとまった費用がかかるため、自治体によっては補助金や助成金を出しています。AEDに関する補助金や助成金の種類にはおもに2つです。

1.各地方自治体が設けている公的な補助金・助成金
 
2.自治体以外が設けている助成金

 
自治体以外が設けている助成金とは「日本スポーツ振興センター」や「あんしん財団」などの事業財団が設定しています。いずれも企業や団体なども対象に含まれますが、地方自治体の補助金・助成金は保育園や自治会、地域の消防組織や商店街などが補助金・助成金を受けやすいです。そして事業財団による補助金・助成金は財団が取り組んでいる事業内容に即した活動を行っている団体が主な対象となります。例えば「日本スポーツ振興センター」ならスポーツ団体、「あんしん財団」であれば中小企業などです。
保育園で設置を検討する際は、それぞれの市町村にお尋ねすることをお勧めします。

厚生労働省が推奨するAED設置場所

AEDの適正配置に関するガイドラインでは、設置場所として駅や空港などの公共の場所や、孤立して救急隊の助けが得られにくい状況になる旅客機や新幹線、スポーツ関連施設、市役所や公民館などの比較定期規模の大きい公共施設、介護施設や学校など、13種類が挙げられています。保育園や認定こども園については、設置が考慮される施設に位置づけられています。

保育施設などでのAEDでの救命の可能性

総務省消防庁の「救急・救助の現況」

参考:総務省消防庁の「救急・救助の現況」(平成29年版)
 
一般市民がAEDを使用し除細動を実施した傷病者の53.3%が1 か月後も生存しており、実施しなかった場合の約 4.7 倍の生存率であったというデータがあります。また、AED等による心肺蘇生は、胸骨圧迫(心臓マッサ ージ)よりもかなり高い確率で、傷病者の生存や社会復帰に影響を及ぼしているようです。

未就学児にAEDを使用する場合には、小児用電極パッドを使うことが望ましいですが、なければ成人用のAEDが使用できます。保育園は街中や住宅街にあり、年間通して人が集まる場所です。子どもの救急救命のみならず通ってくる保護者や、近隣住民の方々の救命につながることも考え、AEDの設置を通して、地域に住む人々の安心材料となることも考えられます。何より助けようという気持ちが大切ですね。

まとめ

保育園のAED設置については、あくまでも設置を考慮される施設という扱いになっています。一方で「乳幼児は心身の機能が未熟であるため、健康を損ないやすく、自ら危険を回避する能力が低い」と、法では判断されています。そのため、保育園で万が一、事故が起こった場合は施設側の責任を問われ、訴訟に発展することもあります。
子どもの命を守るためにも、そして保育園の存続や働く保育士の安心を守るためにも、AEDの設置は必須と言えます。
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