保育園・保育施設の開設に必要な備品をカタログリストから揃える
新型コロナウイルスの流行により日常生活にも影響が出ています。保育園の運営に関しても例外ではなく様々な対応が進められています。各自治体の判断によるものもあれば、自園の考え方や工夫で進めていくこともあり、現場からは混乱の声が止みません。そこで今回は、新型コロナウイルスに対する保育園の対応についてご紹介します。令和2年2月27日時点の情報となります。
感染症が流行った際、外部も含めた対応が必要になる行事。有事の時の判断や説明こそ、園長の重要な仕事であることも事実です。特に年に一度の発表会は集まる人数も多く、実施にあたっては注意が必要となります。またこの時期に多い遠足についても、園児を園外へ連れ出すため、場所の選定や実施時期の検討など、判断が必要となります。判断するために必要となる考え方について一つ一つ確認していきましょう。
まず第一に必要なことは、行政からの最新情報を確認することです。新型インフルエンザの時と同様に、コロナウイルスについても他の保育園の園長や自園の職員から、話題も含めいろいろな情報が入ってきます。適切な判断をするためには、最新の正しい情報が必要となりますが「〇〇らしい」や「〇〇だと思う」といった話題を情報として捉えてしまうと、適切な判断ができなくなります。必ず行政からの最新情報を確認するようにしてください。特に有効な情報源としては、厚生労働省HP、各都道府県、市町村の担当課、保健所等です。くれぐれも、個人的な見解や、噂レベルの話を真に受けて、園としての判断や保護者への周知などをすることは避けてください。
保育園の場合、臨時休園の決定については基本的に行政からの指示によります。しかし、園児や職員から感染者が出た場合や地域で流行し始めた場合などは、行政からの情報を待たず、保育園から報告しましょう。また近隣の小学校が休校になった場合、自園でも感染する確率が上がったり、休園の措置が必要になったりなど、影響を受けやすくなることもありますので、定期的に情報を得てください。また、職員の配置や、処遇についての説明、給食の食材の停止など、休園になることを想定した準備をしておくようにしましょう。
(参考:厚生労働省 新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け))
園児に感染が疑われる症状が出た場合は、保護者へ連絡し、登園を控えてもらうことが必要です。「いつもと同じ風邪の症状」であっても、コロナウイルスが流行っていることを念頭に置いて、これまで以上の丁寧な観察と保護者への依頼が必要です。また保育園には、乳児や気管支系の疾患を持った子どもも登園しているため、徹底して感染経路を断つことが求められます。感染が疑われる前から、園としての方針を示し、保護者への協力を仰げる状態を作っておきましょう。
コロナウイルスの症状の目安は、以下の通りです。
また園児だけでなく、保護者や保護者の職場などで感染者が出た場合も、感染者との接触を極力避け、感染リスクを減らすよう、伝えてください。保育園で手洗いやアルコール消毒を徹底して行っていても、自宅で感染しやすい状況がある場合、コロナウイルスへの感染の可能性は高まります。
厚生労働省の保育所における感染症対策ガイドラインには、
・保育所における乳幼児の生活と行動の特徴として、集団での午睡や食事、遊び等では子ども同士が濃厚に接触することが多いため、飛沫感染や接触感染が生じやすいということに留意が必要である。
・特に乳児は、床をはい、また、手に触れるものを何でも舐めるといった行動上の特徴があるため、接触感染には十分に留意する。
・乳幼児が自ら正しいマスクの着用、適切な手洗いの実施、物品の衛生的な取扱い等の基本的な衛生対策を十分に行うことは難しいため、大人からの援助や配慮が必要である。
と記されています。(引用:厚生労働省 保育所における感染症対策ガイドライン (2018 年改訂版))
それぞれの対策については、以下の通りです。
現時点では、コロナウイルスは飛沫感染と接触感染で、感染すると言われています。また、空気感染は起きないと考えられていますが、閉鎖的な空間で近距離で多くの人と会話するなどの環境では感染を拡大させるリスクがあると言われています。
(参考:厚生労働省 新型コロナウィルス感染症について)
飛沫感染の場合は、くしゃみ、咳、つばなどの感染者の飛沫と一緒にウイルスが放出され、他の人がそのウイルスを口や鼻などから吸い込んで感染することになります。また、接触感染は感染者がくしゃみや咳を手で押さえた後、その手で周りの物に触れるとウイルスがつき、他の人がそれを触るとウイルスが手に付着し、その手で口や鼻を触ることで、粘膜からコロナウイルスに感染することです。そのためには、マスクの着用と手洗いうがいの徹底が、感染経路を断つための有効な方法と考えられています。
保育園にはマスクができない年齢の子どもたちも多くいるため、おもちゃや絵本・マットや手すりなどの共用するものについては特に消毒を徹底したいものです。
保育園は「組織」として運営していることから、正確な情報と、適切な指示によって、質の高い保育を提供することができます。そのためには、保育園側が職員へ正しい情報と知識を提供することで、感染予防につながることはもちろん、保護者からの信頼を得るきっかけにもなります。保育園の予防方針を、職員全員が理解しているかを随時確認し、さらに決まったことを確実に実施できているかチェックしましょう。特に管理者は現場の保育士が、アルコール消毒の方法や、感染が疑われた場合の対応、手洗いうがいの徹底などの基本的なことをおろそかにしないように注意を払いましょう。また、感染予防の方法については常に研究が進んでおり正しい方法が変わるため、改善し続けることが必要です。変更については、全職員に確実に伝わるよう、マニュアルやリーフレットなどの正確に伝わる方法を工夫しましょう。
園児の中には、疾患を抱える子どもや、家族の中にお年寄りがいることもあります。多くの子どもと大人が生活する場所だからこそ、職員がウィルスを持ち込み、園が媒体してしまうことは避けたいものです。そのためには、手洗いやマスクの着用に加え、不要な外出についても極力避けることをお願いしてください。
それぞれの保育園の規定をもとに、厚生労働省による、新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)を参考にしてください。
保護者も、それぞれの職場でのルールや情報をもとに日々の行動を判断しています。そのため、保護者の数だけ見解があって当然です。感染症に対する保育園の考え方や方針について、事前に周知しておくことが、思わぬトラブルを避けることにつながります。今回のように特別な対応が必要な場合は、特に以下の2つのポイントを重視して保護者に周知・啓発するようにしましょう。
新型コロナウィルスのようにまだわからないことが多い感染症については、必ず「厚生労働省」や「首相官邸」などが示している情報や通知をもとに、周知することをお勧めします。緊急事態ということもあり、基本的に毎日情報が更新されていますので、変更があった部分や追加されたことを中心に、毎日更新してください。一斉メールや保育園の掲示板などを有効活用しましょう。
また、自園の情報に加えて、市町村や、近隣の保育園、老人ホームなどの介護施設の患者数や対応についても、保護者に伝えると良いです。地域で生活している保護者にとっては、有効な情報となります。自園が行っている対策が、一般的なものと比較して同等以上の水準であることを伝えることで、安心感にもつながります。
緊急事態宣言が出るほどの国を動かす事態になっている新型コロナウイルスへの、保育園の対応について記載しました。まだまだ未解明の部分も多く、日々情報が更新されている状態です。正しい情報と行政からの指示を仰ぎながら、保護者も園児も安心して生活できるために、保育園としてできることをしっかりと続けていきましょう。休園になった場合、休園中の子どもたちの変化や過ごし方について情報提供や確認をする。発表会や遠足などの行事が中止になった場合は、日々の保育の中で楽しめることを検討し保護者にも成長が伝わる機会を別に持つなどの工夫をすることも、保育園としての必要な対応だと言えます。