保育所経営って儲かるの?収入面やリスクを管理して安定運営を目指そう!

運営・経営

2019年11月7日

保育所経営を始める前に気になるのが、保育園経営の収入についてです。安定した運営を目指していても、なかなか長期的に稼ぐのは難しいのでは?と感じている方も多いかと思います。
この記事では、保育所を運営するにあたって考えられるリスクや心構えに焦点を当て、安定運営を目指して稼ぐためのポイントをまとめました。

保育園運営は稼げるの?

保育料などの収入や補助金からの収入が期待できる保育園の運営ですが、実際のところ事業として十分な収益は得られるのかどうかを考えてみました。安定した収入を得るために、経営者が意識しておくべきポイントなども解説していきます。

安定収入で手堅く保育園運営できる

保育園運営で稼ぐメリットは、収入の安定性です。
保育園に通い続けたくない理由ができた、保護者の引っ越しなどの事情ができたなど何か問題がない限りは、保護者側も小学校に上がるまでは子どもを同じ園に通わせたいと考えるでしょう。
そのため、毎月決まった額の保育料を納めてもらえる形になるので、飲食業界や小売業と比較しても安定して収入を得られる業界とも言えます。
また、0歳児から入園してもらう場合、1人の園児から約5年間は安定収入を得ることが可能です。保育園の質を落とさずに、保護者から継続して信頼を得ることで、安定した収入が期待できるでしょう。

保育所経営って儲かるの?

園児が集まらないと収益化できない

ただし、そもそも園児が集まらないと収益化できないというデメリットもあります。
園児一人ひとりから得られる収入が安定していても、その人数が少なければ利益を上げることができません。
また、0歳児など低年齢の園児ほど保育料や補助金からの収入が大幅にアップします。募集する園児の年齢や保育士の人数など、様々な収支バランスを考慮して運営を行わなければ収益化は難しくなるでしょう。
1つの園で収益化が難しい場合は、複数の保育園を経営するのも一つの方法です。1つの園の評判が広まれば、他の園の園児も増えるなど相乗効果が期待出来ますよね。
また、園児が集まりやすい地域に参入するのが望ましいでしょう。
できるだけ、競合が少なく保育園を探している保護者の多い地域を狙って開園することが大切です。

補助金を利用して開園する企業が多い

保育所運営で稼ぐために重要なのが、補助金の利用です。
特に、企業主導型保育園を運営する場合、設置のための費用や設置後の園児ひとりあたりに対する補助金等を受け取ることが可能です。
設置や運営を外部委託・コンサルタントに任せ、補助金で収益を増やしている企業も多いでしょう。
また、企業としてのアピール、広告宣伝にもなるメリットから、間接的な利益を増やす目的で保育園を運営する企業もあります。ただし、こちらも一定の園児数がいなくては赤字は免れません。補助金と収入、支出を計算し、最低限何人の園児が必要かを把握しておきましょう。

リスクを考慮した保育所経営

安定した保育所運営や収益化のためにも、保育所を経営する中で起こりうるリスクについても押さえておかなくてはいけません。今回は特に、収入に関するリスクを4つに分けて説明していきます。
保育所経営って儲かるの?収入面やリスクを管理して安定運営を目指そう!

園児が集まらないと収益化できない

リスクの1つ目は、園児が集まらない可能性があるということです。保育園運営者が園児が集まらないことに悩む時期は以下の3つでしょう。

• 開園当初
• 新学期開始時期
• トラブルや悪い噂が広まったときなど

最も気になるのが開園してすぐのスタート期。
せっかくお金をかけて園を設置したにも関わらず、園児が集まらない不安は大きいでしょう。
年度が変わり新入生に期待をする時期も園児数が気になるところですよね。
万が一園にトラブルがおきてしまったり、悪い評判が出回ってしまった直後も園児数の減少を心配する声も少なくありません。
まずは、これらの不安を未然に防ぐ対応を考えておくのが得策と言えます。

開園しても赤字になる場合もあるので注意

「やっと開園までこぎつけた!」と安心している間に、1年経ってみて実は赤字経営だったというパターンも少なくありません。

• 園児数が想定より集まらなかった
• 宣伝広告費に費用を使いすぎた
• 保育士の入れ替わりが激しく求人に経費がかかってしまった

保育園運営では、上記のような理由で最初の数年は赤字ということも予想されます。0~2歳児の園児の学年が上がるにつれて、徐々に定員も埋まってくるため、長期的な資金計画が大切です。

保育所経営って儲かるの?収入面やリスクを管理して安定運営を目指そう!

4月退園なども考えて年間で収支計画を立てる

園児が少なくなってしまうタイミングは、4月と言われています。
年長組の卒園や認可保育園への転園、保護者の異動など、考えられる理由はいくつかありますが、運営側はそれに備えた収支計画を立てる必要があるでしょう。
各月の収支計画はもちろんのこと、年間計画が重要になってきます。収入が減ることが予想される月の行事や保育士などの人件費を見直す、収入を増やすためにできることを考えておくなど工夫が必要になるでしょう。

個人経営はリスクが高いのでオススメできない

保育園の経営体制にも注意が必要です。
これから保育園運営を検討されている場合、個人経営はリスクが高いと言えます。
特に、保育士経験がある方の中には「将来は自分の教育方針で園を運営していきたい!」と保育園経営を目標にされている方もいるかもしれません。
しかし、現実はそううまくはいかないもの。もちろん、保育士は子どもを保育するプロですが、経営となれば経営についての知識や経験が必要となってきます。全てを一人でやろうとするのは困難ですし、結局現場に携わる時間すらなくなってしまうという結果にもなりかねませんので注意が必要です。

保育所経営者は運営に対する心構えを養う

経営者は収益化を考えるのが大切な仕事の一つですが、子どもを保育する事業を行う以上、運営する上で大切な心構えもあります。実際に通って頂く園児たちや、働いているスタッフへの配慮など、関わる人たちのことを考えた運営を心がけましょう。

保育所経営って儲かるの?

保育の精神で園児や親を一番に考える

「この行事は無料だし、あまり経費をかけたくないな」
「保育士が足りないけれど、この人数で何とか回るだろう」

このように保育園の利益を優先した考え方で運営していては、園の評判も上がらず園児たちにとっても良くない環境になってしまうでしょう。
もちろん、園児や保護者の言うこと全てを聞かなくてはいけないということではありませんが、まずは通って頂く園児・保護者を第一に考えた運営をしていくことが大切です。
最初に通って頂く園児や保護者の方の満足度が、今後の園の評判にもつながっていくこともあります。
利益を上げることだけが、保育園の運営ではありません。
園児が楽しく遊べる、保護者が安心して子どもを預けることができる保育園づくりが大切になってくるでしょう。

保育所経営って儲かるの?収入面やリスクを管理して安定運営を目指そう!

園児が集まり魅力的な保育園作り

安定した運営のためにも、園児の確保は最も大切なポイントです。
園児が楽しく通える魅力的な保育園とは何かを今一度考えてみましょう。
保護者が魅力的に感じるポイントと、園児が気に入ってくれる園では、それぞれ違った工夫も必要かもしれません。また、周囲にある別の保育園との差別化も重要です。

「近くの園にはないけど、この保育園にはこんな魅力があるの!」
と、保護者が思わず周囲に自慢したくなる魅力が自分の運営する保育園にあれば、自然と良い口コミも広まっていきます。
また、園の魅力は大規模なイベント個性的な教育法だけではないでしょう。
保育士の質をウリにしている園や、立地がアピール材料になることもあります。
様々な視点から、園の魅力を考えてみることが大切ですね。

保育士・運営スタッフに対する感謝の気持ちを忘れずに

「せっかくいい園なのに、保育士や事務スタッフに元気がない」

そんな印象を保護者に与えてしまうのはとても残念なことです。
また、働いている方たちがどれだけ充実して働くことができているかで、園児に与える影響も大きく変わっていくでしょう。
人間関係にストレスを感じて働いているスタッフはいないか、勤務時間が長く心身ともに疲れてしまっている保育士はいないかなど、園で働く人の状況を把握しておく必要があります。
「仕事なんだからやって当たり前」という考えで、保育士たちに接することがないように注意したいもの。
日々の業務や依頼した仕事をしてくれたときには、「いつもありがとう」と声をかけてみる。現場にあまり入ることのない経営者は、「前に来たときより、こんなふうに変わっているね。◯◯さんのおかげだね。」と、良くなった点を褒めることも大切でしょう。

保育所経営って儲かるの?

お金儲けよりも大事なのは社会貢献

経営者にとっては、保育所経営は大切な事業の一つであり、できるだけ大きな収益を上げたいと考えている人も多いはずです。
しかし、より多くの金額を稼ぐことより大切なのは社会貢献の精神とも言えます。
保育所を設置することで、どれだけ多くの園児が同年代の子どもたちと関わり成長できるのか保護者は安心して子どもを預けることで、自分の仕事に集中することができるのかなど、保育所が社会にもたらす影響は数多くあります。
社会に貢献できていると心から感じながら運営を進めることができれば、赤字に悩まされたり、もっと多く稼ぎたいと自分の欲だけで保育園を運営することはないはずです。
是非、自分にとっての保育園運営に対する心構えを保育園運営までに固めて、継続的に社会に貢献できる保育園を目指していきましょう。

まとめ

保育園を設置するためには、補助金やコンサルタントの活用など、様々な工夫をして開園することができるでしょう。しかし、継続的に安定して利益を上げながら保育園を運営していくためには、より多くの工夫や根気が必要です。
安定収入を期待できる保育園運営も、黙っていて自然と収入が増えていくわけではありません。起こりうるリスクを想定しながら、選ばれる保育園としての心構えを身につけ、安定収入を得られる園づくりを行っていきましょう。