【CoDMON(コドモン)】保育業務のICTシステム
1日があっという間に過ぎていく保育園での仕事。子どもたちと過ごす時間の合間を縫って「終わらせなければならない仕事」や「持ち帰ってしまう作業」に頭を悩ませている園も多いことでしょう。新しい生活様式への変更や、働きかた改革が進む中、業務管理は園長にとって大きな役割となってきています。業務改善が課題である今、これまでエクセルで行われてきた保育士の業務管理。効率化を図るために保育ICTシステムへ移行する園も増えてきました。保育園内の業務の実態と、ICT化がもたらすメリットについて、見ていきましょう。
保育士の仕事は、日々子どもたちと過ごしながら、同時にいくつもの業務をこなします。早番や遅番を除いて、仕事をしている間に「子どもが居ない時間」はありません。そのため持ち場を離れて、計画や記録の作成の時間を作ることが難しくなっています。その結果、持ち帰り残業や休憩中の作業が生まれ、保育士の離職率を上げる原因の一つにもなっています。業務管理の問題点を、細かくみてみましょう。
保育の仕事の中で必ず問題になるのは「時間の確保」です。子どもと直接関わる時間の中で、保育に必要な情報を残し、さらに園内で共有していくことが求められます。最近では、ノンコンタクトタイムを設けている園もあります。「ノンコンタクトタイム」とは勤務時間内に設けられた、子どもに接しない時間帯のことです。 事務作業などの業務効率化を図るため、保育時間とは分けて設けられます。
しかしながら、保育園や認定こども園では、職員の勤務時間よりも子どもの保育時間のほうが長いため、事務作業を行うための場所の確保や、人員配置に悩まされることも多いようです。
全国私立保育園連盟の調査によると、1日の通常勤務の中で、直接子どもと関わらない時間が0分と答えた保育士は全体の39.2%であり、20分未満の21.3%と合計すると60.5%の保育士が、ほとんどノンコンタクトタイムを取れていないという結果になっています。
また「1日の勤務の中で、直接子どもと関わらない 時間が取れた場合、あなたの仕事はどのよう に変化すると思いますか」という質問に対して、「かなり良好になる・良好になる」と答えた保育士は、全体の70.4%でした。
1日の通常勤務の中で、直接子どもと関わらない時間はどれくらいありますか。
1日の勤務の中で、直接子どもと関わらない 時間が取れた場合、あなたの仕事はどのよう に変化すると思いますか。
(参考:ノンコンタクトタイム 調査報告書 公益社団法人全国私立保育園連盟 調査部)
保育の現場では、エクセルがまだまだ活用されています。
エクセルは使い慣れているため、他のシステムに変更することへ精神的な負担を感じている保育士も多く、特にデジタルネイティブ世代でない保育士から、現状維持を求めらることが多いです。エクセルでも十分に便利になったと感じている場合、さらに新たな方法に移行することが面倒に感じてしまう事は自然なことです。
しかし、エクセルでは、リアルタイムな情報共有や、必要な情報をピンポイントで検索することなど、対応できないこともあります。
働き方改革や、新しい生活様式への移行など、保育を取り巻く社会が変わっていく中で、エクセルだけでは業務管理に限界が来ることも考えられます。
書類の管理を効率化し、感染症対策や子どもへの対応に時間を作るために、ICTシステムの導入を積極的に検討してみても良いでしょう。
保育業務の効率化を行う上で今一番注目されている方法は、保育ICTシステムの導入です。
必要な情報が取り出しやすくなり、情報の紛失や散乱なども防ぐことができます。全てデータとして保存されているため、書類が場所を取ることもありませんし引き継ぎもスムーズに行うことができます。ICTシステムで効率化がもたらすことについて、見ていきましょう。
ICT化する際は、一時的に業務が増え負担を感じることはありますが、一旦移行してしまえばその後効率は格段に上がります。これまで書類の作成や検索、他の保育士に聞いていた手間が省略されるため、普段の保育内容を充実させることにつながります。
時間的な余裕ができることも、ICT化による大きなメリットです。
機能の理解や操作スキルを身につけ、最初の打ち込み作業さえ終われば、これまで時間を費やしてきた作業が一気に減少します。時間的な余裕ができることで、精神的な余裕にもつながり「働きやすい」「もっとこうしてみよう」という工夫が生まれることにもなります。子どもの行動をより注意深く観察できる時間の増加や、保育環境の整備に手間をかけられることは、保育士にとっても園児にとっても大きなメリットです。
また、これまで書類作成に当てていた時間を活用して「園内研修」や「ケース会議」、そして「休憩時間の確保」もできます。有限な時間をうまく活用することで、保育の質を上げることにつながります。
保育はチームで行っているため、状況を共有するためには指導計画や日誌がとても重要です。指導計画がしっかりと共有されていないと、それぞれの保育士の思い込みや感情で保育されることにつながります。一貫性のある保育を行うために、指導計画や日誌のICT化を図ることも一般的になってきました。ICT化によって、指導計画や日誌を共有しやすくなり他の年齢のものや、違う年度の同年齢のものを参考にしやすくなります。また指導計画は、同じ保育方針のもと作成されたものであれば、昨年度のものを修正して活用することもできます。
忙しい業務の中でも、職員間の情報共有を図ることは、安心安全な保育を行う上で必要不可欠です。子どもの怪我や感染症への対策、保護者からのクレームなど、全体で把握する必要がある情報もあれば、知っておくと便利だけれど優先順位の低い情報もあります。
緊急度と重要度が高い情報を共有するためには「正確に・どこでも・素早く」が絶対条件です。口頭だけでは「言った・聞いていない・覚えていない」など、それぞれの主張が食い違うものです。小さな食い違いが重なると、人間関係にも影響してしまうため、正確かつ平等な情報共有が求められます。
ICT化は、なかなか見えにくい「保育」を可視化することもできます。保育の中で園児が気付いたことや、次はどのような活動を行いたいと思っているか、また環境構成はどのように設定していくかなどを見える化することで、保育士自身が保育を見通す力が育ち、子どもたちの遊びを充実させることにもつながります。近年、保育の中で活用される機会の増えた「ドキュメンテーション」もシンプルに作成することができます。
「ドキュメンテーション」については、下記の記事で詳しくまとめてあります。ぜひご覧ください。
≪ 関連記事 ≫保育で使えるドキュメンテーションの作り方|発信の仕方や活用法
保育ICTシステムを導入すると、これまで手書きだったものがデジタル化されるため、原本の修正や、文字の追加も容易になります。一度書いた文章を修正する際、修正テープを活用したり、訂正印を押したりして対応されていると思いますが、電子の場合はデリートキーを押し、そこにそのまま文字を打ち込むことができ、書類自体が見にくくなることも避けられます。主任保育士や園長が、内容を確認し添削する場合も、同じように省力化されることも魅力です。
保育業界のICTシステム導入実績No.1
コドモンの紹介
保育のICTシステムトップクラスのデザイン性(グッドデザイン賞・キッズデザイン賞 受賞)
キッズダイアリーの紹介
現在、日本では国をあげて保育士の業務負担の軽減を図るとともに、保護者にとって必要な情報等を把握しやすくすることによって、子どもたちの福祉の向上を図ることを目的とした、ICTシステムの導入を推奨しています。保育園がICTシステムを導入する際、国や地方自治体にてさまざまな補助金・助成金が設けられています。各自治体によって異なりますので、園でICTシステムの導入を検討しているなら、適応される補助金・助成金がないか一度調べてみることをお勧めします。
これまで当たり前だった作業を見直し、効率化を図ることは、保育を充実させていく上で重要だということはおわかりいただけたと思います。パソコンに関する用語・操作方法がわからない場合でも、業者からの説明やサポートを受け、導入することができます。保育士不足の今だからこそ、園の保育士が「保育の質の向上」に時間とエネルギーを充てられるように環境を整えることも、園長の役割の一つですね。